Sボルト/耐力壁

柱、梁の圧倒的な強さと壁のねばりが、幾度もの地震に耐える。

木材の経年変化にも決してゆるまないSボルトが柱と梁を一体化させ、JAS特類1級の耐力壁が外部からの強い力に耐え、安全性を確保します。

耐震構造「Sボルト/耐力壁」

Sボルト

接合強度の高いSボルトを全棟採用するのはSE構法だけ。

地震時において、さらなる安全性を確保するために、SE構法では業界で初めて、全棟Sボルトを採用しています。これは、従来の金物工法の欠点を克服するために開発された特殊なボルトです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性を格段に向上させました。通常のポルトの2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、ラーメン構造を実現しています。

※ エヌ・シー・エヌ実験による引張り荷重の平均値。

※ 1kNは、およそ100kg。

木が「やせても」強さを発揮。

木造住宅で使用する柱や梁と同様に、集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。これを木造業界では「木がやせる」と言います。今までは、木がやせてしまうと、施工当初にきつく締め固めていたボルトやナットが緩んでしまい、剛性(強度)を維持することは大変難しく、解決しがたい問題でした。
SE構法は、高強度SE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。さらに、ラーメン構造の力を発揮する、柱幅120mm~360mmまでの平角柱を用意しています。

柱梁接合部強度実験

高性能なSE金物は、柱と梁とを単に接合するだけではなく、接合部そのものが地震や台風に抵抗する性能を持っています。

耐力フレーム水平加力実験

各接合部の実験で確認した性能値が、実際の耐力フレームで発揮されているかを確認しています。

※ 耐力フレームとは、平角柱と梁をSE金物で接合した、高性能ラーメンフレーム。

耐力壁

壁強度は一般在来工法の3.5枚分。

一般的な在来軸組工法では、建物に加わる横向きの力を、筋交いによって強さを補っている壁で支えています。
例えば、SE構法の壁が在来軸組工法と比べ3.5倍強いとすると、同じ壁なら3.5倍地震に強く、同じ強さなら1/3.5の壁量で開放的な空間をつくることができます。SE構法では、柱と梁の接合部の強さと耐力壁の強さのパランスを構造計算で検証しています。

※ SE構法と在来軸組工法では、構造に対するアプローチが異なるため、単純に比較はできません。このグラフは参考値です。(エヌ・シー・エヌにより算出。)

せん断力に優れたJAS特類1級合板。

地震などの天災は、1度だけではありません。SE構法では、何回も起こる地震(繰り返しの力)に対応できるように実験を重ねてきました。その結果、構造用合板とCN釘による耐力壁であれぱ、繰り返しの力にも、耐力を保つことが実証されました。耐力壁への性能において最も重要な「せん断強度」の基準が明確で性能の高い「JAS特類1級構造用合板」(厚さ9mmの場合のみ)を標準採用しています。これにより、耐震性能を担保しています(下図参照)。

※ せん断強度とは、地震などの発生により、構造用合板化負荷(せん断力)が生じた際に、合板自体が破断せずに耐えられる強度のこと。

耐力壁水平加力実験

SE構法で使用する高性能な耐力壁は、実大実験により性能を確認し、各構造部材にどのように力が流れているのかを検証しています。

木材が本来持つねばり

地震や台風などで大きな力が加わったとき木材はゆがみ、釘を打った穴も広がります。しかし、SE構法は、繰り返しの力にも耐力を保つことができます。

SE構法では、地震による釘穴の変形実験を繰り返し行い、強度を確かめた結果、せん断力に優れたJAS特類1級合板を使っています。