「人生の3大資金」について考えたことはありますでしょうか。一般的に「教育資金」「住宅資金」「老後資金」の3つを指し、それぞれのプランを計画し、目標金額を決めて適切なタイミングで貯蓄をすることで、必要な資金を準備することができます。
「教資金費」「住宅資金」「老後資金」の3つ全てを同時に考えるのは大変ですが、今回はそれぞれのポイントについて整理してみたいと思います。今後のライフプラン設計の参考にしてみてください。
教育資金は進路によってプランを決める
教育資金とは?
そもそも教育資金(教育費)とは、どのような費用を指すのでしょうか。例えば文科省の調査では、教育費を「学校教育費」「学校外活動費」「学校給食費」に分けています。
項目 | 定義 | 費用例 |
学校教育費 | 学校教育のために各家庭が支出した全経費。学校が一律に徴収する経費と必要に応じて各家庭が支出する経費の合計額。 | 授業料、修学旅行・遠足・見学費、学級・児童会・生徒会費、通学費、など |
学校外活動費 | 補助学習費及びその他の学校活動費の合計 | 学習塾費、家庭教師費、体験活動・地域活動費、スポーツ・レクリエーション活動費、など |
学校給食費 | 幼稚園・小学校・中学校において、給食の実施形態に関わらず、給食費として徴収した経費。 | 完全給食費、捕食給食費、ミルク給食費、など |
こうした教育費は、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学と連続して必要な資金となります。そのため、それぞれを単体で考えるのではなく、進路によってどれぐらいかかるのか、ルートを意識した資金づくりが大切です。
教育費はいくら必要になるのか?
留学などの特別な教育選択や本人の希望などは成長に伴って変化するため、将来掛かる費用を完璧にシミュレーションするのは難しいものです。まずは一般的な金額を想定し、準備しておきましょう。
文科省の「平成28年度子供の学習費調査」と日本政策金融公庫の「平成30年度教育費負担の実態調査結果」が公表している一般的な学習費は以下の通りです。
幼稚園〜高校の学習費(単位:万円)
公立 | 私立 | |
幼稚園 | 23.4 | 48.2 |
小学校 | 32.2 | 152.8 |
中学校 | 47.9 | 132.7 |
高等学校 | 45.1 | 104 |
大学種別ごとの学習費(単位:万円)
入学費用 | 4年間の在学費用 | 合計 | |
国公立大学 | 80.1 | 459.2 | 539.3 |
私立文系 | 90.4 | 640.4 | 730.8 |
私立理系 | 85.5 | 741.2 | 826.7 |
私立短大 | 73.6 | 302.8 | 376.4 |
例えば、幼稚園から大学まですべて公立であれば、およそ690万円。すべて私立(大学は私立理系)であれば、およそ1,270万円かかります。
教育費は進路によって2倍近く変わる可能性があることを覚えておきましょう。
また、生活費を含めれば金額はさらに上がりますし、留学などの特別教育が必要になれば、より多くのお金が必要になります。
教育費の貯め方と貯蓄を始める時期
教育費を貯めはじめる時期は大きくわけて2つあります。
①子どもが生まれる前から
②子どもが生まれてから
子どもが生まれてからだと、子育てに忙しくなり教育費や進路についてゆっくりと話し合う時間が取りづらくなりますので、できれば子どもが生まれる前から教育費の準備を始められるのが望ましいです。
子どもが生まれてから準備する場合でも、子どもが小さい頃からコツコツと準備しておきましょう。つまり、比較的支出金額が少なくて済む早い時期から、計画的に貯め始めるのが最良といえます。
教育費の貯め方はさまざまな方法がありますが、ここでは「ジュニアNISA」と「学資保険」を紹介します。
ジュニアNISA
未成年の子どものための「少額投資非課税制度」です。
日本在住の19歳以下の子どもを対象に、年間80万円までの投資信託や株の運用による利益や配当金が最長5年間非課税になります。
ジュニアNISAで運用できる株式や投資信託などは、預貯金や学資保険よりも資金を増やせる可能性がありますが、原則18歳まで払い戻しができません。
学資保険
子どもの学資金(教育資金)を準備するための貯蓄型の保険です。
子どもの成長に合わせた進学準備金や満期学資金を受け取ることができ、万が一、親(契約者)が亡くなった場合は、それ以降の保険料の払い込みが免除となります。その場合でも、そのまま継続して学資金を受け取ることができるタイプもあります。
その他、教育費を用意する方法として「奨学金」「教育ローン」「児童手当」などもあります。単純に預金するよりも効果的ですので、制度を上手に活用しましょう。