SE構法

システム化された木造ラーメン構法。それがSE構法

柱や梁そのものを互いに剛接合し、強固な構造躯体をつくり上げる。従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を、日本の木造住宅に取り入れたのがSE構法、です。ラーメン構法は極めて信頼性が高く、歴史的な蓄積も多いことから、20世紀以降の近代構法の主役ともいうべき役割を果たしています。しかし、鉄やコンクリートといった強度計算のできる均質な部材を前提としているため、日本の木造住宅にラーメン構法を取り入れようという発想は、存在しませんでした。それは、地震大国日本において、日本人が最も住みたいと願う「木の家」に、必要な耐震性を確保する構法が存在しないことを意味していました。SE構法が実現したのは、住む人の安心と安全。地震に負けない強さと、木造の美しさの両立だったのです。

※ SE構法は2002年に、構造計算プログラム「木質構造計算プログラムWolf-2」によって、建築基準法68条の26 国土交通大臣認定(略称:プログラム認定)を、木造で初めて取得しました。

日本の伝統的「木造技術」を、近代に甦らせる。

日本の木造の歴史は、太平洋戦争によって一度断絶しています。戦後復興時、「不燃都市計画論」の名の下に鉄筋コンクリート造や鉄骨造による街づくりが奨励され、大学や教育機関では「木造の構造」を教えることがなくなりました。世界に誇る日本の木造建技術は、この時期に失われたのです。

近年では木の家の良さが見直され、木造住宅の推進は国策となりましたが、今現在においても、一般に広く普及している木造平屋建てや2階建ての住宅は、安心して住めるとは言いきれません。国策でありながら、2級建築士以上の有資格者の設計に限り、構造関係の書類提出が義務付けられていないからです(建築基準法第6条第4号)。家の最も重要な構造部分の強さを検討しないまま、建築されてしまうケースも少なくないのです。

こうした状況下、住まい手を守り抜くことを第一に、一棟一棟、今日の一万余棟まで構造計算を行い続けてきたのがSE構法です。「地震や台風などを考慮し、厳密な構造計算を行うこと」「使う材料が強度基準を満たしていること」「設計通りの精度で確実に施工できること」。安心・安全な家づくりに欠かせない、これら3つの条件を満たすべく誕生した構法です。

コンピュータ制御による高精度なプレカット集成材を、独自開発のSE金物で接合することで生まれる、圧倒的な構造強度。SE構法は、木造技術の伝統を甦らせ、従来は勘や経験値頼みだった木の家の強度に科学的な裏付けを取り入れた木造構法です。

地震にも、台風にも強く、資産価値を保つ木の家。

SE構法は、自然災害から住宅を守ることはもちろん、住宅の資産価値を保ち続けます。日本の市場においては通常、住宅は築後1年目から、その資産価値は下がり続けてしまいますが、その後もローンを支払い続けなくてはなりません。

このような業界の中でSE構法は、家の資産価値を評価し担保していく、具体的な道筋を打ち出しました。家の構造躯体の安全性・耐久性は数値で証明され、検査・保証された上で書類化され、この書類が将来的な家の価値を証明する証となります。

資産価値が高いことは、世の中にとって普遍的な魅力と価値を持ち続けるということ。こうして建てられた家が「永く住まうことができる」家であることは、言うまでもありません。