
2019年10月に消費税が10%となる見込みです。度重なる消費税の増税により日本の消費税が高額であるような感覚になりますが、実は世界からみれば日本の消費税率はまだまだ低いのです。
では日本以外の国の消費税事情はどうなっているのでしょうか?ランキング形式で日本と比較しつつ、各国の消費税の特徴や、高い・安い理由、使い方や国政の違いなどをご紹介します。

日本の消費税の仕組みとは?
消費税は1989年に導入された間接税の1つです。
間接税とは支払う人と納税する人が異なる税金のこと。商品やサービスを購入する際に購入価格に上乗せされる形で消費税を支払い、受け取ったお店が税務署に納税します。
私たちが普段、消費税と呼んでいるものは「一般消費税」と呼ばれるもので、ありとあらゆる商品やサービスに課税される税金です。
今回はこちらの一般消費税を「消費税」として取り上げます。特定の商品(酒・たばこ・ガソリンなど)を取引するときに課税される税金も「個別消費税」と呼ばれる消費税の一種です。
現在、日本の消費税率は8%です。そのうち、6.3%が国、残りの1.7%が地方の財源となります。消費税で得た収入は年金や医療、介護などの社会保障や少子化対策の費用に充てることが消費税法で義務付けられています。
消費税が高い国ランキング:ベスト10
順位 | 消費税率 | 国名 |
1位 | 27.0% | ハンガリー |
2位 | 25.5% | アイスランド |
3位 | 25.0% | クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー |
4位 | 24.0% | フィンランド、ルーマニア |
5位 | 23.0% | アイルランド、ギリシャ、ポーランド、ポルトガル |
6位 | 22.0% | ウルグアイ |
7位 | 21.0% | イタリア、オランダ、スペイン、チェコ、ベルギー、ラトビア、リトアニア、アルゼンチン |
8位 | 20.0% | アルバニア、アルメニア、イギリス、ウクライナ、ウズベキスタン、エストニア、オーストリア、キルギス、スロバキア、スロベニア、セルビア、タジキスタン、ブルガリア、ベラルーシ、モルドバ、フランス、マダガスカル、モロッコ |
9位 | 19.6% | モナコ |
10位 | 19.3% | カメルーン |
引用元:世界一は27%!日本は何番?消費税が高い国・低い国ランキング | MONEY-GO-ROUND
情報元:世界の消費税(付加価値税)の税率......平成26年4月版
それでは、日本と諸外国の消費税を比較してみます。まずは消費税率が高い国トップ10をご紹介します。
1位はハンガリーの27%。なんと日本の3.3倍にもなります。経済協力開発機構(OECD)の「生活満足度ランキング」がかなり低く、不安定な社会情勢と財政難で、高い消費税率に設定せざるを得ないという事情があるようです。
このほか、アイスランドが2位で25.5%、スウェーデンやデンマーク、ノルウェーが3位で25%、フィンランドが4位で24%など、高負担高福祉で知られている北欧諸国が上位ランクインしています。税負担は大きいものの、医療や教育の分野において平等で手厚いサポートが受けられます。
また、イタリア、オランダ、スペインは21%で7位、イギリスとフランスは20%で8位にランクインするなど、特にヨーロッパ諸国では消費税が高い傾向があります。
こうして見ると消費税率が日本の2~3倍の国が数多く存在しますが、その背景はそれぞれに異なります。
高福祉というメリットを国民に享受させるために高い税率を設定している国がある一方で、先程ご紹介したハンガリーや財政破綻したギリシャなど、厳しい財政事情により増税せざるを得ない国もランクインしているのです。
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