事例で学ぶ生前整理!病気やケガを患う前に始めることの重要性

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生前整理が大切さだと頭ではわかっていても、なかなか行動に移せない。そんなことはありませんか。それはもしかしたら「やらなくても良い理由」ばかり考えているからかもしれません。

今回は、生前整理に関する事例をいくつかご紹介します。特にケガや病気に関する事例をご紹介しますので、今日から始めるキッカケにしていただけたらと思います。

小さなことから始めるのが大切

持病を抱えているAさん。ある日持病が悪化し、検査入院となってしまいました。

無事に退院したものの、いつまた病状が悪化するかわからない。自分の身体に危機感を感じ始めたのが、生前整理のキッカケでした。

生前整理の手始めとしてAさんが選んだのはエンディングノートでした。

実際に書きだしてみると、今まで気づかなかった「伝えておきたかったこと」が次々と思い浮かんだそうです。自分の葬儀の進め方やお墓のこと、財産の取り扱いや家の管理方法など、こんなにも気掛かりな事があるのかと驚きをみせていました。

「こういう機会がなければ自分の死後に目を向けて、真剣に考えることはなかった。自分の妻や娘に大きな迷惑をかけてしまう前に気づけてよかった」とAさんは言っています。

思いがけないケガで生前整理が難しくなることも

都内の持ち家に暮らすBさん。階段からの転落事故が原因で後遺症が残り、杖なしでは生活できなくなってしまいました。

今のままでは生活が不便なので、自宅の一部をバリアフリーにリフォームすることにしました。そこで問題となったのが、家財の入れ替えや処分です。

重い家財を動かすことが難しく、細かい物の整理や処分ですら、自由のきかない身体では時間が掛かりすぎてしまいます。

そこでBさんは一人息子に手伝ってもらうことにしました。息子は快諾してくれたものの、Bさんの内心は複雑でした。

普段片付けをしないので物が溢れており、作業は何日かにわけてもらう必要がありました。「頼られるのに悪い気はしないよ」と息子は気遣っていましたが、せっかくの休日に何度も足を運ばせてしまったことに対して、Bさんは申し訳ない気持ちでいっぱいだったと言います。

「こんなことになるなら、ケガをする前から家の中の整理整頓をしておけばよかった」と、早目の生前整理の大切さを語ってくれました。

認知症というリスクも検討しよう

Cさんには気がかりがありました。「今年87歳になる母の物忘れが最近ひどくなってきている」ことです。

母のことを改めて考えると、Cさんは何も知らないことに気づきました。

そこでCさんは、自分のため、母のためだと思い、「お母さんのことを教えてほしい。生前整理、少しずつ始めてみよう」と提案したのです。

悲しく泣かれるか、激しく反発されるか。とても不安だったCさんですが、母は意外にも穏やかに「そうね。あなたにも心配かけたくないわ」と受け入れてくれたのです。

それからCさんは、母と写真の整理から始めることにしました。昔の写真を見ながら思い出話に花が咲くのは、嬉しくもあり、少し寂しい気持ちもあったようです。

「大人になって少し疎遠に感じていた母との絆が再び戻った気がして、思い切って生前整理を提案してよかった」と話してくれました。

業者を賢く利用するのも大切

Dさん、65歳。3人の子供達も独立して一安心。いずれ夫婦で高齢者施設に入居しようと考えていました。

とりあえずの準備として年末の大掃除のタイミングで不要な物の処分と残す物の整理を始めたのですが、一向に進みません。子供達が遊んでいたオモチャ、もらったプレゼント、学校の課題作品など、思い出の品が次々と見つかり、それらを捨てることができなかったのです。

そこでDさん夫婦は、専門の業者に手伝ってもらうことに決めました。第三者に処分してもらえたほうが、気持ちの整理がしやすいと思ったからです。

「業者の方の作業はとても丁寧で細やか、そしてとても迅速でした。家の中がどんどんキレイになるのを見ていて、心もスッキリ。夫婦二人生活への気持ちに切り替えができました」

生前整理の一部を業者に依頼して良かったとDさんは話していました。

健康なうちからコツコツと始めましょう

すべての事例に共通して言えるのは、自分の身に何か起きてしまってからでは遅く、健康なうちから準備をすることが大切だということです。

ケガや病気は、自分で対策を講じたとしても避けきれないもの。年齢に応じて体力は確実に衰え、ケガや病気のリスクは高まる一方です。自分で注意をしていても、他者から事故や病気をもらう可能性もあります。

また、生前整理をする目的は自分のためだけではありません。遺された家族を守る行為でもあるのです。自分も家族にまで迷惑をかけてしまうのは、きっとあなたも望むところではないでしょう。

生前整理は今日始めて明日終わるものではありません。「いつかやろう」「明日から始めよう」ではなく、今日からできることからコツコツと始めましょう。

特集:生前整理を具体的に考えてみよう

第1回生前整理をやるべき意味と理由!最初に始めるべきこととは
第2回初めてのエンディングノート!書き進め方と活用法について
第3回事例で学ぶ生前整理!病気やケガを患う前に始めることの重要性【当ページ】
第4回生前整理をポジティブに考えよう!前向きな気持ちになれる事例集