土地・不動産の相続をスムーズに行うための基本!手続きの流れとポイント

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土地・不動産を相続する前に覚えておいてほしいポイント

不動産を相続する前に覚えておいてほしいポイント

相続登記で損をしないためにも、相続する前に覚えておきたいポイントを5つ紹介します。

誰が相続人であるか

相続人が誰なのかは必ず把握しておきましょう。ここがはっきりしていないと、売買や相続をする際に問題になる可能性が高いです。全員がそろうときに、誰が所有権を引き継ぐのかしっかり確認しておきましょう。

土地の所有者ははっきりしているか

そもそも相続する土地の被相続人でなければ、土地の相続をすることができません。もし所有者がはっきりしていないのであれば、調査が必要になり、費用や時間がかかります

誰が手続きを行うか

共同で相続した場合でも、手続きは1人で行える場合や全員の合意が必要な場合があります。必要書類の作成や手続きの確認を早めにすませ、誰が責任を持って手続きするかを確認しておきましょう。

不動産を相続したときにかかる税金を誰が負担するか

不動産にかかわらず、相続が発生すると税金がかかります。こうした税金や登記にかかる費用を誰が負担するか、相続人が複数いる場合は話し合っておきましょう。無理に引き受けたために、相続税を支払えず、相続できなくなることもあるので注意が必要です。

不動産の相続をしたら「管理者責任」が発生する

意外と忘れがちなのは「管理者責任」のことです。不動産を相続すると、当然その土地を管理する責任が生じます。

例えば、相続した家の塀が壊れて通行人にケガを負わせた場合などに、ケガの責任を取らなくてはなりません。

このような場合を考慮して、今後その土地を管理していけるのか考える必要があります。もし無理だと判断した場合は、相続放棄など他の手段も視野にいれなければならないでしょう。

確認しておきたいシチュエーション別の不動産相続

不動産登記は、被相続人から相続人へという単純な話ばかりではありません。不動産登記で起こり得る疑問について、いくつかのシチュエーションを解説します。

兄弟の共有名義で相続登記できるの?

相続登記は、共有名義で行うことも可能です。遺産分割協議で兄弟が納得した上、遺産分割協議書に署名捺印していれば、共同名義にすることができます。

ただし共同名義にすると、相続した土地の利用や所有権をめぐって、今後「争族」が起きることも考えられるので、あまりおすすめではありません。

長年所有者がわからない土地はどうすればいいの?

例えば、先祖代々その土地で暮らしていた場合に、自分の父親が亡くなったので登記しようとすると、登記名義が祖父のままになっていた、などということがあります。

このような場合は、まず被相続人(上記の場合は祖父)が死亡した時点での法定相続人を調べ、その人が相続しているかを確認する必要が出てきます。

もし相続人が規定の人ではない場合や、相続人がわからない場合は、該当する相続人を探さなくてはなりません。このようなときは、まず専門家に相談しましょう。

国土交通省では所有者把握が難しい土地についてガイドラインを作成しています。

地方にある不動産を相続したら、手続きはどうすればいいの?

基本的に、相続登記は不動産が所在する法務局で行います。しかし、煩雑な手続きが所有者不明土地を増加させている一因であるとされ、法務省では現在、所有権の放棄や手続きの簡略化などが審議されています。

 

相続税の納付が困難ときはどうしたらいいの?

相続はしたいけれど相続税を払うのが難しい場合は「延納制度」を使うことができます。「延納制度」は、相続税を一括で納付するのが困難な場合、申請すれば年賦で納めることもできます。

ただし、年賦にできるのは納付が難しい金額が限度であることと、担保を提供する必要があります。

迷ったら、専門家に相談しよう!

相続登記は、自身で行うことも確かに可能です。しかし、しっかり準備したと思っていても、必要書類に不備があったり、確認に手間取ったりと、なかなかうまく進まないこともあるでしょう。

もし相続登記について不安を感じるのであれば、身近な専門家であるFP(ファイナンシャル・プランナー)や司法書士・弁護士に相談してみることをおすすめします。

最後に

土地・不動産を相続したときに必要な手続きについて、ポイントは押さえていただけましたでしょうか?

せっかく残された不動産資産ですから、しっかりと対策しておくことが大切です。しかし、相続人の経済状況などによっては、相続することで負担になることもあります。

もしものときは、延納や所有権の放棄も考えましょう。自分にとってその相続がプラスになるかマイナスになるか、専門家の意見も参考にすると安心です。