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空き家対策特別措置法から3年!空き家問題の現状と各自治体の取り組み状況

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近年問題になっている空き家。2015年には「空き家対策特別措置法」が施行されましたが、効果はあったのでしょうか。また、自治体ではどのような取り組みがなされているのでしょうか。空き家対策の現状をご紹介します。

この記事で学べること

空き家の現状と今後の見通し

空き家対策特別措置法の効果

各自治体で進む空き家対策取組事例

空き家の現状と今後の見通し

野村総合研究所の発表(※1)によると、2010年代後半より空き家が増加傾向にあり、2018年には総住宅数が6,372万戸、空き家数は1,083万戸になると見られています。

2033年には空き家数が2,000万戸を突破空き家率は30.4%となり、実に住宅の3軒に1軒は空き家という状況になると予測されます。

注目したいのは、用途が決まっていない「その他の住宅」の増加です。2018年には388万戸になると見られている「その他の住宅」が、2028年には640万戸になると予測されており、この10年で倍近くになると考えられています。

「その他の住宅」は放置されていたり管理が不十分だったりするので、街の美観を損ねたり、倒壊など事故を引き起こすリスクをはらんでいる住宅も少なくありません。

関連記事:空き家が増え続ける理由と問題点とは?数字で見る空き家の実態

空き家対策特別措置法の効果

空き家対策特別措置法が施行されてから2年以上経過しましたが、自治体の空き家対策に変化があったのでしょうか?

空家対策特別措置法が行うこと

  • 空き家の実態調査
  • 空き家の所有者へ適切な管理の指導
  • 空き家の跡地についての活用促進
  • 適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定し、助言・指導・勧告・命令、さらに罰金や行政代執行を行う

関連記事:空家対策特別措置法を徹底解説!空き家放置で固定資産税が6倍に!?

平成29年の国土交通省・総務省の調査結果、および日本弁護士連合会が2016年に実施したアンケート調査の結果(※2)から以下のことがわかりました。
※アンケート対象:全国の市町村及び特別区(1741団体。うち有効回答702団体)の空き家対策部署

特定空家等に対する措置の実績

特定空家等に対する措置の実績

平成29年10月1日時点 国土交通省・総務省調査
・調査対象:1788団体(47都道府県、1741市区町村)
・1788団体(回収率100%)
引用元:平成29年10月1日時点 国土交通省・総務省調査

国土交通省の調査結果によると、2017年10月時点までに「助言・指導」を行った市区町村は350を超え、累計件数は8,500件を超えています。強制対処を実施した実績もあり、「代執行・略式代執行」の合計件数は60件となっています。

規模が大きい自治体ほど空き家対策が進んでいる傾向

空き家対策を行うためには、まず自治体が空き家対策特別措置法に基づき空き家を認定する必要があります。空き家を認定した実績がある自治体は半数近い47%という結果でした。

認定の実施の有無を自治体の規模別に見てみると、人口10万人以上の市や中核市では6割近く、村レベルでは3割弱に留まっています。

倒壊の恐れや衛生上問題がある「特定空き家」の認定にも同じ傾向が見られます。

「特定空き家」の認定を実施した自治体は全体で20.9%。そのうち比較的規模が大きいところでは「指定都市:53%」「中核市:35%」「特別区:33%」と3割〜5割の実績があるのに対し、比較的小さなところでは「町:9%」「村:3%」と1割を切る結果になっていて、自治体の規模による大きな差が見られました。

特定空き家を認定した自治体の対策

特定空き家を認定した自治体のうち、指導あるいは助言を実施した自治体の割合は99%で、ほとんどの自治体が特定空き家に対策を行っていることがわかります。

自治体が強制的に空き家を撤去する行政代執行や、所有者が判明しない空き家を撤去する略式代執行が実施されているケースもあります。

全体としては、独自の条例を定め、実際に特定空き家の認定や助言・行政代執行などを実施している自治体もあり、空き家対策特別措置法施行後は一定の効果があったと言えます。

各自治体で進む空き家対策取組事例

官民共同で空き家対策に取り組んでいる福岡県と、独自の条例を制定して空き家に関するセミナー情報や専門家による情報を発信している愛知県名古屋市の事例をご紹介します。

福岡県

福岡県では、県内に約12万戸ある空き家の有効活用を促進するために「福岡県空き家活用モデル普及促進事業」を実施しました。民間事業者等から地域特性に配慮した空き家活用のモデルとなる事業提案を募集し、事業の実施に要する費用の一部を補助したのです。

これに対してNPO法人や不動産業者、医療・福祉法人などが名乗りを上げ、2015年度には6件の事業を採択。

たとえば一般社団法人 古家空家調査連絡会は「都市近郊型空き家物件の福祉目的における再活用整備事業」を提案。社会福祉協議会に寄付・遺贈された空き家をリフォームし、高齢者や児童、母子、精神障害などの福祉施設に転用する仕組み構築を目指しています。

ほかにも旧土井良丈文家住宅管理運営会議は、江戸末期に建てられた住宅を改装して地域住民の交流拠点とし、「認知症カフェ」や「おしゃべり会」など定期事業の開催を計画しています。

参考:福岡県内の空き家対策のご案内 - 福岡県庁ホームページ

その他の取り組み

県内のすべての市町村に空き家に関する相談窓口を設置しました。「空き家問題の対策に向けて」というガイドラインの発信や、空き家を売却・貸出したい所有者と購入・賃貸入居希望者をマッチングする「空き家バンク」というサービスも実施。県を挙げて空き家対策に力を入れています。

名古屋市

愛知県名古屋市では空き家対策特別措置法に先駆け、市の責務や市民などによる情報提供、空き家の対策や特定空き家に対する措置を定めた「名古屋市空家等対策の推進に関する条例」を2014年4月に施行しました。

ホームページで「名古屋市空家等対策計画」を公開しているほか、司法書士・土地家屋調査士・弁護士など専門家が、登記や土地の境界など空き家で問題になりがちな事柄を解説したコンテンツを掲載し、情報を発信。市が主催あるいは共催で、空き家に関するセミナーも行っています。

同時に、個別に空き家に関する相談や情報提供ができる窓口として名古屋市内の16区すべてに「地域力推進室」が設置されています。

また、条例に基づき空き家対策の実施状況を市議会で定期的に報告し、広報活動の実績や相談件数、空き家の調査状況、特定空き家に対する措置、関係団体との連携状況などの情報を開示しています。

残る課題―自治体間での温度差

空き家対策に積極的な自治体がどんどん対策を進めている一方で、消極的な自治体では対策がいっこうに進まないという、自治体間での温度差が見られるのが現状です。

空き家対策に消極的な理由は以下のような点が挙げられます。金銭的あるいは事務的な負担を理由に実施を躊躇している自治体も少なくありません。

  • 基本指針あるいはガイドラインの運用上の問題点がある
  • 事務負担が増える
  • 空き家対策にかかる財源が捻出できない
  • そもそも空き家対策特別措置法の必要性が感じられない

今後も空き家が増加することは間違いないと考えられています。空き家の対策に取り組む姿勢について自治体間で大きな差がある現状であり、今後は今まで実施を見送ってきた自治体の取り組み状況に注目していきましょう。

参考元
※1:『<2017年版>2030年の住宅市場~空き家率の抑制に向けて、早急な仕組みづくりが必要~』
※2:『「空家等対策の推進に関する特別措置法」施行1年を経ての全国実態調査』