初盆(新盆)を完全ガイド!必要な準備と道具、流れやお布施の作法など

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

親族が亡くなって初めて迎えるお盆「初盆」は、通常のお盆といくつかの違いがあります。

初盆ならではの準備や道具、流れや飾り付け、お布施の作法などの基礎知識から、最近の初盆事情までガイドします。

初盆と通常のお盆の違い

通常「お盆」といえば、先祖の霊が浄土から地上に帰ってくる期間とされており、その期間に先祖の供養を行います。一般的には8月13日~16日とされていますが、東京など一部の地域では旧暦の7月13日~16日をお盆としています。

「初盆」とは、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のこと。四十九日が過ぎた後の最初のお盆を指し、四十九日を迎える前にお盆期間がある場合は翌年のお盆が初盆となります。「新盆」と呼ぶこともあります。

初盆の流れと注意すべきポイント

初盆の流れ

8月13日

お盆初日である8月13日(旧盆は7月13日)はお盆入りの日になります。自宅にて精霊棚を準備して、その後お墓の掃除をして故人の霊を迎え入れる準備をします。(※精霊棚の準備方法については後述します)

夕方には「精霊迎え」といって、家の前で迎え火を焚きます。故人の霊はこの迎え火を目印にして家に帰ってきます。

8月14日、または15日

法要とお墓参りを行います。初盆の場合は僧侶や遺族全員でお墓参りに行き、お経をあげます。法要後に会食をすることもあります。

この期間は故人の霊が帰ってきていますので、お供え物や水などは毎日交換し、火も絶やさないようにします。

8月16日

盆明けの16日は故人の霊が再び旅立つ日です。なるべく遅い時間に送り火を焚いて、故人の霊を見送ります。地域によっては精霊船で故人の霊を川に送る「精霊流し」や、灯篭で故人の霊を川に送る「灯篭流し」が行われます。

初盆での注意点と工夫

精霊棚の火はLEDろうそくも可

迎え火から精霊棚のろうそくに火を移しますが、お盆期間中は火を絶やしてはいけないとされています。しかし数日間絶えず火を灯し続けるのは現実的に難しく、火事の危険性もありますので、LEDろうそくで代用されるケースもあります。

お供え物は日持ちするものを

お盆期間中はお供え物やお花の水は毎日交換しましょう。特に夏の暑い時期なので、腐りやすいものはお供え物としてはあまりおすすめできません。おせんべいや羊羹、クッキーといった乾物や、お茶やジュースの詰め合わせなどの飲み物が一般的です。

日程調整や早めに

お盆で重要なのが法要やお墓参りの日程調整です。なるべく親族が集まりやすい日時を設定するとともに、僧侶とも早めに日程調整をしておきましょう。特に僧侶は多くの檀家を回らなければならず、非常に忙しい身です。少なくとも1ヶ月前までには法要とお墓参りの日程を決めましょう。

法要やお墓参りの後に会食をする場合は、会場も早めに手配するようにしましょう。

僧侶へのお布施の対応

お布施の金額について、通常のお盆は5,000~2万円程度が相場とされていますが、初盆は3万~5万円が相場とされています。これ以外にも遠方から来た僧侶であれば車代を渡すこともあります。

お布施を渡すタイミングは法要が終わった後です。無地の白い封筒に入れ、お盆の上に乗せてお渡しするのが礼儀です。

親戚・知人への対応ポイント

基本的には略喪服や平服を着用します。男性の場合はブラックスーツ、女性の場合は黒色無地のワンピースやアンサンブルが無難です。

食事やお菓子は、訪れた日にちや時間帯にもよります。法要の後に全員で会食する場合が多いようですが、間柄や時間帯によってはお菓子とお茶のみの場合もあります。事前に連絡する際に食事をどうするか確認しておくと良いでしょう。

香典や盆提灯、盆提灯代、お供え物をいただいたときにはお返しをします。菓子折りやタオルなど、一般的な法要で使われる返礼品と同様で問題ありませんが、夏場ですので腐りやすいものは避けましょう。返礼品は「粗供養」「志」と書かれたのしをつけて渡します。