初盆で用意するべきもの
●ほおずき
形が提灯に似ていることから、盆飾りに使われます。
●素麺
細長い形から、故人の霊が馬に乗って旅立つ際に手網として使うという意味合いで盆棚にお供えします。
●閼伽水(あかみず)とみそはぎ花
閼伽水とは仏前に供養される水のことです。この閼伽水にみそはぎの花を5~6本束ねて供えます。故人の霊が帰ってくるときには悪霊もついてきますが、閼伽水とみそはぎの花があれば悪霊を追い払えるとされています。
●生花
精霊棚やお墓に備える仏花です。定番は菊の花ですが、ユリの花やリンドウの花もよく使われます。
●野菜や果物などのお供え物
すいかやぶどう、夏野菜をお供えします。野菜に見立てた落雁でも代用可能です。また、故人が好きだったものをお供えするのも良いでしょう。
●精霊棚の準備(提灯や位牌の並べ方)
精霊棚の中央に位牌を置きましょう。精霊棚の四隅または両隅に青竹を立て、縄を張ります。この縄を草縄といい、精霊棚を守る結界となります。この縄に、ほおずきや素麺などを吊るします。
位牌の前には香炉を置き、その隣にろうそくを置きます。お供え物や精霊馬(なすやきゅうりに割り箸や爪楊枝を刺して馬や牛をかたどったもの)は精霊棚の手前の方に置きましょう。盆提灯は精霊棚の両脇に置きます。
宗派による違い
盆飾りには宗派によって違いがありますので、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。その他に地域によっても盆飾りは異なりますので、事前に調べておくことをおすすめします。
●浄土宗
精霊棚のお供え物はゴザを敷いてその上に置きます。お供え物には季節の野菜や果物、お菓子などが使われます。ただし、お酒やタバコなどの嗜好品はあまり良しとされていない場合もあるようです。
●浄土真宗
浄土真宗ではお盆に迎え火や送り火、精霊棚に盆飾りをするといったことはありません。故人は仏様になるので霊が家に帰ってこないというのが浄土真宗の考え方になります。
●真言宗
精霊棚には精進料理を食べられる状態でお供えします。野菜の煮物や素麺などがよく供えられます。故人が食べられるよう、箸を置くのも欠かせません。
●曹洞宗
精霊棚が白い布で覆うのが大きな特徴です。サイコロ状に刻んだなすときゅうり、荒い米を混ぜた「水の子」もお供えします。
●日蓮宗
日蓮宗では仏壇の両脇に青竹を立て、その前に精霊棚を置きます。精霊棚にはお茶、ごはん、生花、精霊馬、水の子を飾ります。
最近のお盆事情
マンションなどにお住まいで精霊棚を置くスペースを確保するのが難しい場合は、精霊棚を設けず、仏壇にお供え物を供えて、盆提灯を両脇に並べましょう。
初盆の飾り付けセットや、マンション用の盆提灯も通販などで売られていますので活用しましょう。葬儀で使った祭壇が残っていれば、それを精霊棚として使うこともできます。
お供え物も簡素なもので十分で、スーパーで調達できる範囲で構いません。お盆の時期になるとお供え用の団子なども売られています。
ただし、どんなに略式になったとしても、法要とお墓参りは行うようにしましょう。僧侶を呼べない場合はお寺で読経してもらうなどの選択肢もあります。他にも「会食の代わりに仕出し弁当を持って帰ってもらう」といったケースもありますので、自分たちだけで話を進めるのではなく、僧侶に相談してみるのが大切です。
まとめ
初盆は通常のお盆と異なる点がいくつかありますが、事前に流れと準備するものを把握しておけば難しいことはありません。今回の記事を参考にして、初盆を迎え、故人を心から供養しましょう。
また、初盆は家族や親戚が集まる貴重な時間。老後のことやもしものときに備えて、家族のこれからのことをじっくり話し合ってみるのも良いかもしれません。
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