2018年の路線価を解説!今日から使える路線価の計算方法付き

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2018年7月2日に国税庁から「路線価」が発表されました。

今回は2018年の路線価の傾向を解説するとともに、路線価が上昇することで生じるメリット・デメリット、土地の価格を算出する方法など幅広くご紹介します。

路線価とは

「路線価」とは道路に面する標準的な宅地1平方メートル当たりの価格で、相続税や贈与税の算定基準となる「相続路線価」と、固定資産税や不動産取得税などの課税に使用される「固定資産税路線価」があります。一般的には「相続税路線価」のことを指し、毎年7月初旬に国税庁から公表されます。

路線価の概要については以下の記事で解説をしています。また、「実勢価格」「公示地価」「固定資産税評価額」など、土地の価格についてまとめていますので参考にしてください。

2018年路線価の概要と特徴

2018年(1月1日時点)の路線価は、全国平均では前年比0.7%プラスとなり、3年連続で上昇となりました。その背景としてはアベノミクスによる景気回復や訪日旅行者の増加、東京オリンピックを控えての土地需要の拡大などが挙げられます。

3大都市圏や沖縄県、北海道など、観光客が増加している地方では大きな伸びが見られます。一方で、東北、北陸、四国など地方圏の29県ではマイナスとなっており、依然として二極化の傾向が見られます。

2018年の最高価格の路線価トップ10

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参照元:平成30年分の路線価等について | 国税庁

1位は銀座中央通りの4,432万円で、3年連続トップを誇っています。注目はリニア新幹線開業を控えて再開発が進んでいる名古屋で、変動率が4.8%から13.6%まで上昇しました。3大都市圏だけでなく福岡・札幌・広島などの地方都市でも上昇しているのが傾向として読み取れます。

特に近年では日本国内の投資家だけでなく、海外の投資家も日本国内の不動産に積極的に投資をしており、それが路線価の変動にも影響を与えていると言われています。

海外投資家が狙う不動産

首都圏のマンションは中国や台湾の富裕層に人気があり、現地で日本のマンションの説明会やセミナーを行うとすぐに満席になるそうです。

この背景には日本のブランド力と安定力があるようです。「日本の首都である東京の不動産を保有する=ステータス」という考え方がアジアの富裕層にあることに加え、特に中国では人民元が不安定であることから日本の不動産を所有して資産を分散させていると考えられています。

平成30年分札幌国税局管内各税務署の最高路線価

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参照元:別表 平成30年分札幌国税局管内各税務署の最高路線価|国税庁

一方、地方のリゾート地も外国人に人気で、北海道のニセコ高原比羅夫線通りの前年比路線価上昇率は驚異の88.2%です。スキー人気が世界的に高まっていて、特に雪質が良いニセコには多くの外国人観光客が訪れます。高額なコンドミニアムを買って、ニセコに移住する外国人も増えているのです。

平成30年分の大阪国税局各税務署管内の最高路線価

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参照元:別表 平成28年分の大阪国税局各税務署管内の最高路線価|国税庁

上昇率全国2位は25.9%で京都市東山区の祇園四条駅周辺です。日本を代表する観光地である京都にも多くの外国人観光客が訪れ、商業ビルなどの賃料が高騰しているのが背景として挙げられます。