「高福祉・高負担」で有名な北欧三国の税事情から見る日本の現状と未来

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北欧三国に共通する特徴

北欧三国に共通するのは、国が責任をもって国民の面倒を見るという「大きな政府」のもとで政策が行われるという点。全人口に対する福祉や公共サービスに従事する公務員の割合が格段に高いのも、北欧三国の特徴です。

そんな北欧三国では「政府を監視する」という考え方が一般的で、国際的な調査結果では政治家や公務員の汚職が少ないと評価されており、税金の使途に関しても事細かに公開されます。

学費や医療費の無償化、各種手当など、わかりやすい形でサービスに還元されており、国民がリターンを直接的に実感しやすくなっています。

払った税金の分だけ目に見えるメリットが享受でき、政府や役所の透明性が高いからこそ、高い税負担でも不満が出にくいと考えられます。

日本の税制と使途

一方の日本ではどうでしょうか。北欧三国と比較すると、教育にお金がかかり、待機児童問題など子育て支援が整っていない側面があります。生活保護費の減額や、年金破綻など老後に対する不安を持つ人も多いのが現状です。

消費税を含む増税の議論が活発になされていますが、税金の使途や増税の理由が明確になっていないのが、現在の日本の問題点であるといえます。

しかし、北欧三国と日本では考え方や政府の体制が異なる点も、理解しておかなければなりません。

北欧三国では政府が積極的に市場へ介入し、社会の平等や富の再分配と、個人への高福祉、完全雇用を重視しています。こうした「大きな政府」を運営するために莫大な税金が必要となります。

一方日本が目指すのは「小さな政府」。政府が権限を持つのではなく、サービスの提供は民間が主導という考え方が根底にあります。そのため、政府から提供されるのは最低限必要なサービスにとどまり、代わりに税負担も少ないというのが特徴です。

まとめ

「充実した社会保障制度」というのは、一見すると非常に魅力的に映ります。しかし「小さな政府」を主体する日本ならではの良さがあるのも事実で、必ずしも「高福祉・高負担」が日本にとって最善とは言えないかもしれません。

ある一面だけを見て判断するのではなく、広い視野と正しい知識を持って政治家を選出する。それが私たちにとって大切なことだと言えると思います。

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