税理士が解説する相続税対策のポイントと不動産活用の考え方
税金関係

2026年7月11日に当社本社で開催した税務・不動産投資セミナーでは、相続税対策をテーマに、資産承継における不動産活用の考え方や留意点について税理士より解説いただきました。
本コラムでは、当日解説がなされた相続税の基本的な仕組みや、不動産を活用した相続対策を検討する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
賃貸マンションやアパートをお持ちのオーナー様、あるいはこれから不動産投資を始めようとお考えの方にとって、相続税は決して他人事ではありません。
不動産は現金や預金と違い、亡くなった後に「誰が」「どのように」引き継ぐかによって、税負担や家族間のトラブルの大きさが変わってくる資産です。
ここでは、まず押さえておきたい基礎知識を整理します。
相続税は、亡くなった方(被相続人)の財産を相続人が受け継いだ際にかかる税金です。
ただし、すべての人に課税されるわけではなく、「基礎控除額」を超えた部分にのみ課税されます。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、例えば相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、4,800万円までは相続税がかかりませんし、相続税の申告書を税務署に提出する必要もありません。
賃貸不動産をお持ちの場合、特に注意したいのが「評価額」の考え方です。
相続税は時価ではなく、原則として、土地は路線価、建物は固定資産税評価額をもとに計算されます。
さらに、人に貸している不動産(貸家・貸家建付地)は、借地人や借家人の権利が考慮され、自分で使う場合よりも評価額が下がる仕組みになっています。
加えて、一定の要件を満たす貸付用の宅地には「小規模宅地等の特例」が使え、200㎡までの部分について評価額を50%減額できます。
こうした仕組みにより、現金で相続するよりも不動産の形で相続する方が、相続税評価額を抑えられるケースが多くあります。

また、配偶者が財産を相続する場合には「配偶者の税額軽減」という制度もあります。
配偶者が取得した財産のうち、1億6,000万円か法定相続分相当額のいずれか多い金額までは、相続税がかからない仕組みです。
不動産は分割がしにくい財産でもあります。
複数の相続人がいる場合、「誰が不動産を引き継ぐか」「他の相続人にどう配分するか」で揉めることも少なくありません。
また、相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内と定められており、原則として現金による一括納付が必要です。
不動産投資は評価額の面で節税効果が期待できる一方、評価の仕組みや納税資金の準備、家族間の分割方法まで含めて早めに対策をしておくことが必要です。
我々税理士などの専門家とともに全体像を把握・整理し、余裕を持って準備を進めておくことが、将来の安心につながります。

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