シニア起業のノウハウ公開!事例から見る成功の秘訣と注意点

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シニア起業の成功の秘訣

Cさんの失敗の要因は、自身の経験や人脈をうまく活かせなかったことにあります。一方で、Aさんは料理教室での経験や人脈、実家の事業の知見を活かせたところが成功の要因となっています。

失敗例もありますが、新しいことにチャレンジするのも悪いことではありません。寿司学校に3か月通ったオーナーが開業した寿司店が、開店11か月でミシュランガイドに掲載された例もあります。

時代に即した学び方と自分のセンスや知識をうまく組み合わせれば、成功の可能性は広がるでしょう。

シニア起業で気をつける点

若年層に比べると事業の成功確率は低い傾向

日本政策金融公庫総合研究所が2016年3月に公表した「20歳代開業者の実態と課題」によると、20才代では赤字基調となった割合が25.5%ですが、55才以上では43.9%となっています。55才以上は黒字になるまでの期間が他の世代と比べて長期化する傾向にあります。

資金の準備

廃業の要因として資金繰りは大きな影響を与えます。シニア起業の場合は融資期間を長く設定するのが難しいことがあげられます。

シニア起業家支援資金も融資上限は大きく設定されているものの、融資限度額まで借りられることはマレです。融資をあてにせずに、開業資金をコツコツ貯めていくことが大切です。

マーケティング能力

シニア起業では、人生経験やキャリアが長いため自信過剰になったり、過去の成功体験にとらわれたりして、提供する製品やサービスが独りよがりなものになる可能性が考えられます。

今、どのような製品やサービスが求められているのか、フラットな気持ちでマーケット分析してみることが必要かもしれません。また、知見のある人に相談してみるのもいいでしょう。

ITへの対応

マーケティングにおいて、WEBページの作成、SNSの活用、インターネット広告の利用などのITを使った施策も重要となっています。

また、仕入などの物品購入、外注先への業務の依頼、会計記帳や確定申告など、シニアの苦手なIT活用の場が多くなっています。最低限の勉強が必要であることは、頭においておきましょう。

健康や体力面

シニア層が、若い時のようにバリバリ仕事をするのは体にも負担がかかるため、無理なく働けるビジネスを選択するのも1つの考え方です。

病気になったときのことも考え、自分がいなくてもビジネスが回る仕組みを、元気なうちに構築することが理想といえます。

まとめ

年齢を重ねたことによるリスクがあるのも事実です。しかし必要以上に及び腰になることはありません。

サラリーマンを退職し、子供も親元を離れ始めたこのタイミングこそチャンスです。人生を通して培った経験とスキル、そして豊富な人脈。国や社会からの後押しもある今こそ、新しい第一歩を踏み出すには絶好の機会と言えるでしょう。

「今さら会社勤めができるような年齢でもない...」と諦めていたのなら、ひとつ「起業」という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。