空き家の新しい活用方法は「地域コミュニティの拠点」!空き家バンクを上手に使おう

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空き家が増え、自治体による法的な規制が強まる中、空き家をさまざまな形で事業に活用する「空き家ビジネス」が注目を集めています。

もちろん、立地や建物の程度がよい物は、賃貸物件として流通していますが、それ以外の物件が、さまざまな形で活かされるようになっているのです。そこから、従来は考えられなかった空き家の活用法も生まれています。

地域のコミュニティ復活の拠点として

核家族化が進み、また、プライバシーに敏感な世相を繁栄して、今、近所付き合いは急速に消滅しつつあります。町内会の行事に参加する若い世代は少なく、回覧板も黙ってポストイン。ご近所同士で立ち話をする姿も,あまり見られなくなりました。

 

逆に、子供の声やテレビやピアノの音、植木の枝の"越境"や落ち葉の掃除などを巡る近隣間のトラブルが増え、地域の一体感は失われています。そして、それが防犯上のマイナスになり、さらに各戸を閉鎖的にしていくという悪循環も見られるのです。

その中で、地域のコミュニティを復活させ、地域住民が触れ合う機会をつくり、それを通して、明るく魅力的で子供にも高齢者にも楽しいまちを復活させようと努力している個人やNPO団体が各地に存在しています。

彼らの仕事は地域の人の交流を復活させること。そのために地域に開かれたカフェや集会場をつくり、そこで住民が賑やかに過ごし、交流を深めることを目指しています。その拠点となっているのが空き家なのです。

もし空き家を所有していたら、そうした用途に提供することもできます。大きな地域貢献になる可能性もあります。

NPOなどが運営する地域の"コミュニティスペース"として

公民館や地域のサービスセンターなどの「集会場」は、利用に費用が掛かり、手続きも面倒で利用にあたっての規制も少なくありません。

地域の活性化やコミュニティづくりなどに自主的に取り組む個人やNPO団体などでは、手軽に使えるコミュニティスペースを探しています。

もし空き家が使えれば、安全や衛生には配慮が必要ですが、費用面や細かい規則に縛られずに気軽に使うことができます。

空き家の所有者は、自治体やNPO団体などへの低額での売却や寄贈あるいは貸与という形になり、収益を期待することはできません。しかし、地域にとって意義のある活用法であり社会貢献になります。

地域のコミュニティスペースとして生かす場合のメリット

メリット
空き家所持者 未利用の空き家を地域の活性化に生かせ、空き家の管理の手間がなくなる
自治体(NPO団体など) 低額または無料で、コミュニティスペースを確保できる
利用者 地域のなじみのある場所に、利便性の高い施設ができる

高齢者のリハビリ施設としても活躍

最近では、介護予防に大きな効果があるとして「運動療法」が注目され、それに特化した通所サービスも行われるようになっています。

介護事業の実施事業者でその会場確保に苦労しているケースもあり、ここでも空き家が活躍する余地があります。

厚生労働省が運営している「介護サービス情報公表システム」などで、お住まいの近くの「地域包括ケアセンター」を検索し、空き家提供の意向を伝えてみるとよいでしょう。下記の「空き家バンク」を利用する方法もあります。

まちおこしの拠点として

人口減少問題を抱えている地方自治体では、新たに「田舎」に居住する人の発掘を進めています。その一つのツールとなっているのが「移住体験用住宅」。

移住の決断をする前に,試験的に短期間その地域で暮らし、判断の材料にしてもらうというものです。そのための宿泊施設として、自治体が空き家を活用、無料または安価に貸し出す例が増えています。

さらに、古民家としての建築上の魅力をもったものを中心に会員制の民宿として空き家を束ね、安価な宿泊費で提供している例があります。

こちらも、通常の賃貸事業のような利益を期待することはできませんが、まちの魅力を発信する魅力ある活用法といえます。

地域の文化施設として

また空き家を地元自治体が買取り、まち独自の資料館や工芸館といった文化施設として運用しているケースもあります。地元ならではの美術や工芸品、出土品などを飾り、そのまちの歴史を振り返る拠点となっています。

 

以上のように、地域の活性化や地域住民の暮らしの向上に空き家を活用する道が生まれています。もし空き家の活用法に悩んでいたら、こうした可能性を考えてみてはいかがでしょうか?その場合は「空き家バンク」の利用が有効です。

「空き家バンク」が役に立ちます

「空き家バンク」は、空き家の賃貸・売却を希望する人から申込みを受けた情報を、空き家の利用を希望する人に紹介する制度です。

空き家の有効活用を通した「市民と都市住民の交流拡大」と「定住促進による地域の活性化」を図ることを目的として、自治体や自治体から委託された団体によって運営されています。
(検索サイトで「空き家バンク」と「地域名」を入力すればサイトが見つかります)

  • 空き家の所有者:自治体に空き家を登録
  • 空き家バンク(自治体):利用希望者に空き家を紹介
  • 利用希望者:希望する空き家を探し自治体に利用者登録

自治体の立場は、空き家の所有者と利用希望者のマッチングです。利用にあたっての交渉や契約は当事者の間ですることになり、自治体は関与しません。ただし、トラブルの発生を防ぐために、自治体ごとに細かい運用規則を定めています。

「空き家バンク」で情報を調べたり、住所地の自治体に空き家を探していないか、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。意外な使われ方で空き家が活躍しています。

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