コインパーキングと月極駐車場の徹底比較!成功するために必要なポイントとは

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

コインパーキング経営は、相続した土地の活用先のひとつです。都心部を中心に車離れが加速している昨今、コインパーキング経営の現状や将来性が気になるところですが、実は国内における自動車の台数は増え続けているのです。

本記事では、「自動車保有台数の推移」などのデータを交えながら、コインパーキングによる土地活用について紹介します。

コインパーキングと月極駐車場の比較

コインパーキング経営と同じく、駐車場を経営するものとして月極駐車場がありますが、これらはどう違うのでしょうか。

まず、月極駐車場と比較した時のコインパーキングのメリット・デメリットについて触れてみます。

メリット

狭小地や変形地でも立地次第で経営可能

月極駐車場もコインパーキングも「他の土地活用と比べて狭小地や変形地でも活用しやすい」という点では共通していますが、コインパーキングのほうがより適しているといえます。

中長期的に継続して駐車をすることを前提とする月極駐車場では、狭く奥まった場所にあるのは好まれず、立地が良くてもアクセスが悪いと集客が難しくなる可能性があります。

一方のコインパーキングは、一時的な利用にとどまるため、アクセスの悪さが大きく影響するとはあまり考えられません

最近ではスマートフォンのカーナビを利用するユーザーも多く、抜け道や裏道に流れる利用者も増えたため、狭小地や変形地での経営もデメリットになりにくいのです。

収入ゼロにはなりにくい

月極駐車場は、契約がなくなってしまうと収入はゼロになってしまうため、次の契約が取れるまでの収入が得られない期間ができてしまいます。

コインパーキングは利用者からの利用料が収入となりますので、収入がゼロになりにくいという特徴があります。

稼働率を高めれば収入を大きくできる

月極駐車場の最大収益は「賃料×台数」と決まっており、それ以上伸ばすことができません。

コインパーキングは30分や1時間といった短い単位の時間で貸し出すことで、時間あたりの単価を月極駐車場よりも高く設定できます。したがって稼働率さえ高ければ月極駐車場より高い収益を得ることができます。

デメリット

初期費用が割高

月極駐車場が道路を舗装してラインを引くだけで済むのに対して、コインパーキングの場合に機材を導入する必要があり、初期費用が割高となります。

収入が安定しない

月極駐車場は契約さえあれば毎月安定した収入を得られますが、コインパーキングは利用状況によって収益が変化します。

天候によって収益が減ることもあれば、周辺の飲食店の人気が上がったことで利用客が増えることもあり、良くも悪くも収益は比較的不安定です。

駐車場内のトラブルが多い

不特定多数の人が毎日かわるがわる利用するため、駐車場内でのトラブルの発生率は高いです。

料金を支払わずに無理やり駐車場を出る不正出庫や、機械を壊されてしまうといったトラブルが考えられます。

月極駐車場とコインパーキングの利回りを比較

利回りには2種類あり、投資額に対して運用収入で割って求める表面利回りと、投資額に対して運用収入から経費を差し引いた割合を求める実質利回りがありますので、それぞれについて計算します。

月極駐車場の場合

まず、月極駐車場は1台あたりの賃料が地方で5,000円~10,000円程度、政令指定都市等で10,000円~30,000円程度が相場です。

地方で坪単価10万円、100㎡の土地を購入して、土地整備に100万円の費用をかけて5台の駐車場(1台5,000円)を設置することを想定します。この場合の年間利益と利回りは以下のようになります。

年間利益:5,000円×5台×12カ月=30万円

表面利回り:30万円÷1,000万円(土地費用)=3%

実質利回り:30万円÷(1,000万円(土地費用)+100万円(舗装費用))=約2.7%

コインパーキングの場合

同じ土地に2時間100円、1日8時間稼働の駐車場を400万円の費用(土地整備+機械導入費用)かけて5台確保し、管理費用として月2万円負担するケースを想定しましょう。

この場合、年間の利益と利回りは以下のようになります

年間利益:400円×5台×365日-24万円(管理費)=49万円

表面利回り:49万円÷1,000万円(土地費用)=4.9%

実質利回り:49万円÷(1,000万円(土地費用)+400万円(土地整備+機械導入費用))=3.5%

上記のように、一般的に月極駐車場もコインパーキングも期待できる利回りは表面利回りで3~5%程度実質利回りで2~4%程度が相場です。

ただ、コインパーキングは稼働率を高めることができれば、より高い利回りを実現できる可能性があります。

一方で、相続した土地を駐車場にするケースなどでは、初期費用の違いから月極駐車場の方が利回りは高くなります。

月極駐車場とコインパーキングそれぞれに向く土地とは?

月極駐車場とコインパーキングを比較した時に、双方とも立地がとても重要な点に変わりはありませんが、それぞれに向く土地は異なります

まず、月極駐車場は家の近くや職場の近くで利用されるのが一般的で、集合住宅や中規模オフィスビルの近辺が狙い目です。近くに月極駐車場があるということは需要があるということでもありますので、周辺の競合の状況を知ることが重要です。

コインパーキングは観光地やレジャー施設、商業施設に近いところが狙い目です。「パーキングを発見しやすい」「入庫しやすい」といった点も重要で、交通量が多いところであれば、それだけ「駐車場のある」と認識されやすくなり、需要が見込めます。

利用率が高くなればそれだけ収益性が高くなるため、基本的に周辺にコインパーキングが少ない方がよいです。

最近多くなった「ロックレス」のコインパーキングとは?

コインパーキングといえば、車の下にロック板のあるタイプが一般的です。しかし、最近ではロック板ではなく、監視カメラで管理するロックレスタイプのコインパーキングが導入され始めています。

ロックレスタイプで用いる監視カメラは高性能で昼夜問わず車両ナンバーを確実に認識し、不正出庫した車があればそのナンバーを記憶します。

不正出庫を抑制するとともに、不正出庫の証拠や未回収売上の記憶が残るため、運営上安心です。また、利用者にとってはロック板がないため停めやすいというメリットもあります。