ZEH(ゼッチ)住宅をやさしく解説!必要な条件と費用シュミレーション

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

ハウスメーカーや工務店のホームページ、広告などで「ZEH(ゼッチ)」「ゼロエネルギー住宅」という言葉をよく見かけるようになりました。

「環境に良さそう」「光熱費が安くなる」といったイメージが思い浮かびますが、まだ広くは周知されていないのが実情です。

今回はZEHの基礎知識やメリット、住まいをZEHにするためのポイントをご紹介します。

ZEH(ゼロエネルギー住宅)とは

ZEH(ゼッチ)とは「エネルギーの消費量を少なくして、必要なエネルギーを生み出せる住宅」を指します。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、ゼロエネルギー住宅とも呼ばれます。

国もZEHの普及には力を入れており、経済産業省は以下の2点を目標に掲げています。

  • 2020年までに、ハウスメーカーなどが建築する注文住宅の過半数をZEHにする
  • 2030年までに、すべての新築住宅の平均でZEHを実現すること

ZEH住宅にするための条件は3つあり、「エネルギーを消費しない」「省エネ設備を備える」「創エネ設備を備える」ことが必須となります。

エネルギーを消費しない

エネルギーを消費しない家を実現するには、冷暖房などをなるべく使わないことがポイントです。断熱性能が高い住宅や窓にすることで、室内の温度が外気温に左右されにくくなり、冷暖房の使用頻度を抑えることができます。

省エネ設備を備える

エネルギー消費効率が高いエアコンや電気給湯器など、なるべくエネルギーを消費しない設備を導入することで達成できます。

創エネ設備を備える

エネルギーを生む設備を設置することも条件です。太陽光発電システムやエネファームを導入すれば電気を生み出すことができます。エネルギーを適切に管理して制御するHEMS(ホーム エネルギー マネジメント システム)も有効です。

※エネファーム
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム。水素と酸素の化学反応で発電、発熱する装置。

家をZEHにする4つのメリット

1. 地球環境にやさしい

昨今、地球温暖化や化石燃料の枯渇など、さまざまな問題が論じられています。家の消費電力を抑え、かつエネルギーを生み出すことができれば、それらの問題の進行を抑えることにつながります。

2. 光熱費が抑えられる

たとえば太陽光発電を導入すれば、発電した電気を使うことで月々の電気代を抑えられます。発電した電気が余ったら、電力会社に売ることで売電収入を得ることも可能です。

3. 補助金がもらえる

ZEHの普及は国の重要な政策のひとつです。そのため国あるいは地方自治体では、さまざまな補助金制度が実施されています。

環境省では「平成30年度のZEH関連事業」として、1戸あたり最大70万円の補助金を交付する施策を行っていました(現在は公募締め切り)。

他にも東京都では「省エネ関連の補助金」として、太陽光発電システムやエネファーム、HEMSを導入した新築住宅や、リフォームで高断熱窓を導入する住宅に対して補助金を交付しています。

大阪府堺市では「戸建住宅にかかるスマートハウス化支援事業」、愛知県名古屋市では「平成30年度住宅の低炭素化促進補助」として、同様にZEHの新築に対する補助金交付制度を実施しています。

その他多くの自治体でZEHの助成事業が行われていますので、お住まいの都道府県あるいは市町村のホームページをチェックしてみてください。

4. 快適性が向上する

断熱性、気密性が高くなれば、室内の温度変化が少なくなり快適に過ごすことができます。また家の中で起こり得る事故のリスクを軽減することも可能です。

たとえば、急激な温度差によって起こる「ヒートショック」という事故があります。冬場、温かいお風呂場から寒い脱衣場に移動したときに、血圧や脈拍が乱れて死に至ることもあり得ます。

断熱性、気密性が高い家であれば室内の温度差も少なくなりますので、こうしたリスクの軽減にもつながります。

ZEHの効果が実感できる条件

上記に挙げたメリット以外にも、以下の条件に当てはまる方は更に効果が実感できるかと思います。

1. 寒冷地あるいは高温地区に住んでいる

ZEHは断熱性・気密性が高いので、快適な室内環境が維持できます。冷暖房費の節約効果に関しても顕著に実感しやすいはずです。

2. 日当たりが良い

太陽光発電システムを搭載している場合、日照時間が長ければ長いほど発電量も多くなります。したがって、家で使う電気も自家発電でまかなえる比率が高くなります。

3. 電気自動車を所有している

自家発電システムがある家なら、電気自動車の電気もまかなうことが可能です。移動にかかるコストも抑えられて、かつCO2の削減にもつながります。