ZEHの事例とコストシミュレーション
ZEHにすることで抑えられる具体的な光熱費について、事例や従来の住宅との比較シミュレーションをご紹介します。
ZEHと従来の住宅のコスト比較
ZEHと一般的な住宅で掛かるコストを比較してみます。
一般的な住宅は建築費が1,700万円、ZEHは建築費が2,200万円と仮定し、金利2%のボーナス返済なし、元利均等返済で35年ローンを組んで住み続けた場合を想定してみましょう。
光熱費は一般的な住宅は年間27万円、ZEHの場合は-9,000円(国交省の試算)として計算します。また、ZEHは補助金(100万円と仮定)を利用した場合と、利用しない場合の2パターンで比較します。
一般的な住宅 | ZEH(補助金なし) | ZEH(補助金あり) | |
建築費 | 1,700万円 | 2,200万円 | 2,200万円 |
補助金 | 0 | 0 | -100万円 |
ローン金利 | 665万円 | 860万円 | 821万円 |
光熱費 | 945万円 | -31万円 | -31万円 |
合計 | 3,310万円 | 3,029万円 | 2,890万円 |
建築費とローン金利こそ一般的な住宅の方が安いですが、その後の光熱費で大きく差がつき、ZEHの方が35年間で300万円近く節約できます。
さらに補助金を利用することで、建築費とローン金利の削減を実現。35年間で400万円以上の節約が可能となります。
間取りや地域、太陽光のキロワット数などによっては上記の試算通りにならないこともありますが、自宅をZEHにすることで大きな節約効果が期待できそうです。
・ZEHの事例1
Aさんは延床面積が80坪の大きな家に住んでいましたが、電気代やガス代が高額になってしまうのが悩みでしたので、建て替えをきっかけにZEHにすることにしました。
大きな敷地面積を活かした6.8kwの大容量太陽光発電システムとエネファームを搭載。電気代とガス代は0になり、わずかではありますが売電収入も得られるようになったそうです。
高断熱・高気密なので、夏場はエアコンをほとんど使わず、冬場でも裸足で過ごせるほどになり、一年を通して快適に過ごせる家になりました。
・ZEHの事例2
築35年の家にお住まいのBさんは、光熱費の節約と地震などの災害時にも停電しないことにメリットを感じ、新しくZEHを建てることにしました。Bさんが住んでいる地区では100万円以上の補助金が交付されることも、新築に踏み切る大きな要因となりました。
Aさんの家と同様、太陽光発電とエネファームを設置。さらに水まわりの設備はオール電化。エアコンや給湯器も省エネ仕様のものを導入しました。
最初は「本当に光熱費が節約できるのか?」と不安だったBさんですが、電気代の請求が0円になって驚いたそうです。100万円の助成金も受け取り、「ZEHにして大正解だった」と振り返ります。
・ZEHの事例3
Cさんは電気代とガス代を合わせて3万円以上かかる月があるほど、高額になる光熱費に悩んでいました。そこで、太陽光発電システムとオール電化を備えた家を新築。
最初はエコキュートの効果的な使い方が分からないこともあり、思ったほど効果を実感できませんでしたが、徐々に慣れていき、今ではエネルギー収支は0円となりました。冷暖房を使う機会も大幅に減って、快適でエコな暮らしが実現できているそうです。
住まいをZEHにするには?
住まいをZEHにするためにはビルダー選びが重要です。太陽光発電システムやHEMSの設置可否を確認するのに加え、建材や断熱材、水まわりなどの設備についてもチェックしましょう。
また、補助金申請を自分で行うのはなかなか難しいので、補助金の申請も合わせてサポートしてくれるかどうかも確認しましょう。
経済産業省では「ZEHビルダー」という制度を行っています。「自社が受注する住宅のうち、ZEHの割合を2020年までに50%以上とする」という事業目標を掲げているビルダーが、ZEHビルダーに認定されます。
このZEHビルダーに認定されている会社であれば、ZEHの建築に慣れているので安心です。ZEHビルダーに関しては一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページで検索することができます。
また、ZEHは賃貸経営にもメリットがあります。戸建住宅と同様に補助金を受けられ、ランニングコストも抑えることができます。入居者に対しても「光熱費が節約できる」ことがアピールポイントになります。
まとめ
自宅をZEHにすれば、快適な住まいが実現できるだけでなく、支出を大幅に削減できる可能性があります。
昨今は国や地方自治体がZEHの普及に力を入れており、補助金制度も豊富なため、お得にZEHを建てるなら今がチャンスといえるでしょう。