自動車の減税対策
1. 自動車取得税廃止
購入時に支払う自動車取得税を廃止。代わりに燃費に応じて取得価格の0〜3%を課税される「環境性能割」を導入する方針です。
「環境性能割」は、増税後の1年間は限定的に一律1%が引き下がりますが、2年後からはもとに戻すとのことです。
2. 自動車税の引き下げ
所有中に毎年課税される自動車税が、小型車を中心に税率が最大4,500円引き下げ予定です。減税幅は以下の通りです。
区分 | 現状 | 減税幅 | 新たな税額 |
660cc~1,000cc | 29,500円 | 4,500円 | 25,000円 |
1,000cc~1,500cc | 34,500円 | 4,000円 | 30,500円 |
1,500cc~2,000cc | 39,500円 | 3,000円 | 36,000円 |
2,000cc~2,500cc | 45,000円 | 1,500円 | 43,000円 |
※2,500cc超は一律1,000円減税、軽自動車税は据え置きで10,800円
消費税増税前に購入しておきたいと考える人もいるかもしれませんが、自動車購入の場合は駆け込み購入を抑えるためエコカー減税が縮小されるデメリットもあります。急いで購入する必要はないでしょう。
住宅購入の減税対策
住宅では、住宅ローン控除が3年間延長されます。このほか、住宅ローンの控除の拡大や、すまい給付金枠の拡大も実施される予定です。
住宅購入の内容については「消費税10%へ増税の注意点!家を買うべきタイミングと対処法」でも紹介しています。
低所得者向けプレミアム商品券配布
額面よりお得な商品券を配布しようという消費税対策案です。2018年12月時点では、2万5000円の商品券に5000円のプレミアム、つまり5000円お得になると予想されます。
低所得層と子供を持つ家庭をサポートするような内容になっており、対象は「生活保護を受けていない住民税非課税世帯」と「0~2歳の子がいる世帯」に限定される予定です。
なお、住民税非課税世帯とは、各世帯や世帯の人数に応じて一律に課税される均等割が非課税になる世帯のことで、以下のように計算します。
35万円×(控除対象の配偶者+扶養親族数+1)+21万円 > 所得
※21万円は扶養する家族がいる場合のみ加算されるもので、住民税の計算には所得税の計算で含まれない16歳未満の扶養親族の数も含みます。
住民税非課税世帯の計算例
非課税になる所得 | 年収目安(給与所得者) | |
夫婦と子ども1人 | 126万円 | 205万円以下 |
夫婦と子ども2人 | 161万円 | 255万円以下 |
親1人と子1人 | 91万円 | 156万円以下 |
親1人と子2人 | 126万円 | 205万円以下 |
※夫婦のうち1人は配偶者控除内で働いているもの、あるいは専業主婦(主夫)とする。
そのほかの対策
消費者にかかわる消費税対策を紹介してきましたが、事業主や経済活動でも消費税対策が実施される予定です。具体的には、以下のような内容が検討されています。
ほかにも、消費税増税によって事業主の負担が急激に増えないよう、経過措置といって、一部の取引は旧消費税の8%が適用されることになります。
防災や減災の公共投資 | 消費税率引き上げ後の景気下振れを防ぐため、防災を中心とした公共投資・インフラ整備を進め、大きな経済需要を生み出そうという試み。 防災関連の公共事業を積み増やせば、受注企業の業績が改善し、設備投資や従業員の給与が増える波及効果があると考えている。 |
企業向けの増税前後の価格転嫁措置 | 増税前の消費駆け込み・増税後の消費落ち込みを防ぐために、具体的には、価格変更時期、値引きの自由など、増税前後の価格転嫁について緩和措置を設ける。 一方で懸念される企業間での「買いたたき」や「価格転嫁拒否」などには一層厳しく監視を行うとしている。 |
商店街の支援 | 具体的な内容は確定していないものの、消費税増税の影響が大きいと予想される商店街での支援を実施する予定。 |
まとめ
増税が国民に大きく影響を及ぼし、生活が損なわれないような対策が講じられ、議論が続けられています。今回ご紹介した対策は、あくまで掲載時点のものです。今後の動向が見逃せません。