コインランドリーといえば、洗濯機が立ち並び、薄暗く、古臭い場所をイメージされる方が多いかもしれません。
しかしそれは過去のもの。最新のコインランドリーは、おしゃれな店構えに加えて、さまざまなサービス受けられることから、利用者が増えてきているのです。
コインランドリーの店舗が急増中
近年、コインランドリーの店舗数は右肩上がりで伸びています。1997年には全国で10,739店舗だったのが、2013年には1.5倍の16,693店舗に。今では約2万店舗近くまで増えていると見られ、新規出店件数はコンビニエンスストアを上回るとまで言われています。
コインランドリー店舗数の推移
コインランドリーが日本で普及したのは1970年代のこと。当時は独身のサラリーマンや学生をターゲットとして、主に都市部を中心に店舗が集まりました。
1990年代には、家で洗いにくい毛布や布団といった大きな物も洗えることが支持され、地方にもコインランドリーが普及。ターゲットも主婦へと変わり、「普段は自宅の洗濯機を使用して、家で洗えない布団や毛布やなどは車でコインランドリーに持ち込んで洗う」といった使い方がみられました。
2000年以降はドラム式洗濯機が主流となり、洗濯乾燥機なども登場。スーパーマーケットやドラッグストアなどに併設されるようになり、清潔感や利便性が高まったことで、幅広く受け入れられるようになりました。
それが近年で傾向も変わり、「洗濯をする場所」から「カフェの延長のような感覚で使える場所」へと変化。おしゃれで入りやすい空間づくりや、洗濯以外のサービスを導入することで付加価値を生み、若い女性層を取り込む店舗が増えています。
カフェにネイルも!待ち時間も快適なコインランドリー
それでは近年のコインランドリーがどこまで進化しているか、事例を交えてご紹介します。
こだわりの空間づくり
「暗い・汚い」といった過去の印象を脱却するため、おしゃれで楽しくなる空間づくりに力を入れているコインランドリーがあります。
空間デザイナーが内装をプロデュースした店舗では、「パステルカラーを基調にした明るい雰囲気」や「ウッドを使ったモダンな空間でカフェ風の雰囲気」を演出しており、誰もが楽しんで利用できると幅広い年齢層に評判です。
大型の水槽で熱帯魚を展示しているような店舗は、子どもにも大人気。30代〜40代の女性が子どもを連れて訪れ、ママ友のコミュニケーションの場として活用されるケースもあるそうです。
カフェを併設した憩いの場
コインランドリーを使う上で課題となるのが待ち時間の使い方です。洗濯が完了するまでの時間が無駄になるのを嫌って、利用するのを敬遠する人も少なくありません。
そこで増えてきたのがカフェを併設したコインランドリーです。おいしいコーヒーや紅茶などに加え、ホットドックやトーストなどの食事も用意されており、洗濯の間にティータイムやランチをとることができます。
待ち時間に出張ネイル
あるネイルサロンではコインランドリーとコラボして、コインランドリーへの出張ネイルを行っています。待ち時間を無駄にしない設計で、本格的なネイルが楽しみながら家事を済ませられてしまう、一石二鳥のサービスです。
無料でWi-Fiが利用できる
無料Wifiを開放している店舗も増えています。スマートフォンでの動画鑑賞で時間をつぶす人はもちろん、パソコンを持ち込んで仕事をする女性の姿も多く見られます。
最近では駅やコンビニエンスストアなどでも無料でWi-Fi提供している場所も増えていますので、今後は「あって当たり前」のサービスになるかもしれません。
宅配ロッカーで荷物が受け取れる
宅配便の再配達が社会問題となっていますが、コインランドリーが解消のカギになるかもしれません。運送会社と提携して宅配便を受け取れる宅配ロッカーを設置するコインランドリーができたのです。
コインランドリーの宅配ロッカーを受け取り先として指定すれば、24時間自分の好きなタイミングで荷物を受け取れます。もちろんセキュリティーも万全。これでもう「荷物が届くまで外出できない」「再配達を手配する」といった不便さともお別れです。