お金と家と人生と。ミライ資産 Leo-PRESS(レオプレス)
  1. ホーム
  2. Leo-PRESS(レオプレス)
  3. 賃貸住宅を受け継ぐ世代のための賃貸住宅経営概論

賃貸住宅を受け継ぐ世代のための賃貸住宅経営概論

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

アパート経営の経験がまったくない人でも、相続などで賃貸住宅を譲り受ければ経営者となります。当然ですが右も左も分からないままでは安定した経営はできません。そうなる前に、賃貸住宅経営に関する法律や税務の基本的な知識は少なくとも身に付けておいた方がよいでしょう。

当記事では、賃貸住宅経営をするにあたってどのような知識が必要となり、どのような準備すればよいのかを紹介します。

受け継ぐ前に身につけるべきこと・知っておくべきこと

まず大切となるのは「賃貸住宅経営も立派な経営である」という意識を持つことです。

賃貸住宅経営と聞いて、不労所得が入ってくるという楽観的なイメージしか持っていない方もいると思いますが、修繕費や管理費用がかさんだり、空室が増えたりすることで、収支がマイナスになるなど、リスクのことも考えておかなければいけません

うまくリスクを回避して収益性を向上させるためには、相応の経営管理が必要です。

もちろん、他のビジネスと比較して、それほど手間がかからないというのは賃貸住宅経営の大きな魅力です。そのためには、入居者募集、賃貸借契約の締結や更新、入退去時の手続、鍵交換やリフォームなどの細かな業務を請け負ってくれる「賃貸管理会社」の活用がポイントとなります。

現在、親世代が保有している物件で、管理をどの賃貸管理会社に任せているのか、その会社の評判や実際の仕事ぶりはどうなのかということも親世代に確認しておくことが大切です。

また、賃貸住宅経営では収入と支出の見極めが重要となります。一見、利益が出ているように見えても、固定資産税や火災保険料の支払い、減価償却や大規模修繕に備えた修繕引当などの費用を控除すると利益が出ていないケースもあります。

アパートローンがある場合には、損益には表れていない元金返済もあるため、収支の状況がどうなっているのかをあらかじめ把握しておきましょう

もしも、収支に大幅なマイナスが見込まれるようであれば、限定承認(相続財産の範囲内でのみ、被相続人の債務等を弁済する責任を負う相続の承認)や相続放棄といった方法が選択肢に入ります

法改正は常にチェック!賃貸住宅経営にかかわる法律の基本知識

物件オーナー(賃貸人)と入居者(賃借人)との関係は、通常、不動産賃貸借契約となっています。仮に物件オーナーが亡くなり、賃貸不動産が相続人の手に移った場合、賃貸借契約上の賃貸人としての地位を引き継ぐことになります。

賃貸借契約には民法が適用されるほか、特別法である借地借家法も適用されます。

借地借家法は、立場が弱くなりがちな賃借人を保護するための法律です。したがって、この法律によって守られた賃借人の権利は非常に強いものとなります。たとえば、賃貸人の都合だけで賃借人に対して退居を求めたり、賃借料を値上げしたりすることはできません。

このように、賃貸人として必要となる基本的な法律知識については早めに押さえておいた方がよいでしょう。

また、敷金や保証金を入居者から預かっている場合も注意が必要です。上述した賃貸人としての地位の承継が行われると、敷金や保証金の返済義務も原則として相続人が負担することになります。現状で敷金や保証金の残高がどれだけあるのかを、親世代に確認しておくことも忘れないようにしましょう。

なお、敷金については従来の民法には明確な規定がありませんでしたが、2017年5月に成立した改正民法では、敷金の定義、返還義務、充当関係などが明文化されています。

具体的には、敷金は原則として全額返還されることが明確になりました。また、経年劣化など通常の損耗については原状回復義務が及ばないことが明らかにされているため、原状回復とは認められない費用を敷金から控除することもできません。

このような法改正についてもキャッチアップしておくことが重要です。

早めに知りたい!賃貸住宅経営にかかわる税金の基本知識

賃貸住宅を受け継いだ場合、様々な場面で税金が発生します。そのため、受け継いでから慌てないように、心の準備と納税資金の準備をしておくことも大切です。

賃貸住宅を受け継いだ際、最初の関門となるのが相続税です。相続税対策は事前の準備がポイントとなり、そのためには早めの情報収集が大切です。

相続税については、「賃貸住宅を受け継ぐ世代のための相続税対策」などの記事もご参考ください。なお、賃貸住宅を取得した場合、通常であれば不動産取得税が課されますが、相続した物件には不動産取得税はかかりません。

また、不動産を保有して賃貸住宅経営している段階では、毎年の不動産所得に対して所得税がかかります。そのため、毎年2月から3月にかけて確定申告を行う必要があります。

消費税に関しては、家賃収入は非課税ですが、オフィス賃料などであれば課税となります。基準となる期間の課税売上高が1,000万円を超える場合には、所得税と同様、毎年の確定申告が必要です。

固定資産税も毎年納付する必要があります。こちらは確定申告ではなく、自治体から送付される納付書にしたがって納付する賦課課税方式です。

もし賃貸住宅の売却となった際には、譲渡所得が発生します。これについても確定申告が必要です。所有期間の長短によって税率が変わったり、各種の特例を利用したりできる場合があるので、賃貸住宅を受け継ぐ前からどのような方針で運用するのかを検討しておきましょう。

賃貸住宅を受け継ぐ前にやっておきたいこと

以上のように、様々な角度から賃貸住宅の譲り受けと活用の方法を検討しておくことが有用です。それらのための情報収集としては、経営に関する法律や税務の入門を活用するのも一法です。

また、セミナーに参加したり、WEBメディアやメルマガで情報収集したりすることもおすすめです。

下記では、賃貸住宅を受け継ぐ前にやっておきたいことをリストにまとめておきましたので、合わせてご参考ください。

受け継ぐ前にやっておきたいことリスト
1 賃貸住宅の名義、土地建物の概況、担保情報などを不動産登記簿などで確認しておく。
2 入居者との賃貸借契約の内容や敷金、保証金の保有状況などを親世代にヒアリングする。
3 賃貸住宅の物理的な状態や賃貸管理の状況について確認する。
4 管理を不動産業者や賃貸管理会社に委託している場合には委託先について調査する。
5 賃貸住宅経営の損益や収支、確定申告内容や顧問税理士に関する情報をヒアリングしておく。
6 賃貸住宅経営に関する法律について概要を把握しておく。
7 賃貸住宅の相続について家族での話し合いや遺言対策などをしておく。
8 不動産に関連する税金について概要を把握しておく。
9 承継時の税金についてシミュレーションし、納税資金の調達方法を検討する。
10 相続税の節税対策をとる。

特集:賃貸住宅を受け継ぐ世代がやっておくべきこと

第1回賃貸住宅を受け継ぐ世代が対処すべき問題とやっておくべき対策
第2回賃貸住宅を受け継ぐ世代のための遺言活用法とは
第3回賃貸住宅を受け継ぐ世代のための相続税対策とは
第4回賃貸住宅を受け継ぐ世代のための賃貸住宅経営概論