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将棋が10倍楽しくなる!段位やタイトルなど基本を総まとめ

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藤井聡太四段の活躍によって、将棋に興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。

藤井四段は2016年10月に若干14歳2カ月でプロ棋士に昇格、62年ぶりに最年少プロ記録を塗り替えました。

しかし、快進撃はこれだけに留まりません。2017年にはデビューからの連勝記録を「29」に伸ばし、公式戦連勝記録を30年ぶりに更新して、将棋ファンのみならず、日本中を驚かせました。

連日の報道で、藤井四段の活躍はご存じかと思われますが、段位やタイトルに関してはいまひとつピンとこない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、将棋界(棋界)の仕組みについて詳しくご紹介します。

「1年で4人」、将棋のプロを争う若者たち

将棋界は日本将棋連盟を中心として、プロ棋士やアマチュア、将棋ファンなどによって構成されています。そのなかで、将棋のプロとなるためには、連盟が主宰する新進棋士奨励会で所定の成績を収めて四段に昇段しなければなりません。

プロ棋士からの推薦によって奨励会に入会、そこから級位・段位を上げていくのが一般的です。アマチュアからプロに編入したケースもありますが、これはあくまで異例のことです。

奨励会では七級から三段までの間、奨励会の会員同士で対局を行います。この対局で所定の成績を収めることで、昇級・昇段を果たしていきます。

三段まで昇格すれば、いよいよプロへの挑戦がスタート。約30名からなるリーグ戦が組まれ、そのなかで上位に入れば四段に昇段となり、晴れてプロ棋士としてデビューできます。

三段リーグは年に2回。それぞれで上位2名ずつしかプロになれません。つまり、「将棋のプロ」になれるのは1年で4人だけなのです。奨励会員たちは、日々、狭き門を争っています。

プロ棋士はどうやってお金を稼ぐ?公式戦やタイトル戦について

将棋のプロはどのようにお金を稼いでいるのでしょうか。プロ棋士とはいえど、傍から見ると将棋を指しているだけにも思えます。

将棋には公式戦(棋戦)と呼ばれる、スポンサー主催の対局があります。公式戦は「タイトル戦」と「一般棋戦」に分かれますが、それらの対局に参加することで、棋士たちは対局料を獲得します。

このなかでもより注目を集めるのがタイトル戦です。2017年8月時点で、一般棋戦を除いたタイトル戦は8つ。これらのタイトル戦で勝ち残れば、高額な賞金が支払われます。しかし、勝ち上がることで得られるのはお金だけではありません。

数ヶ月にもおよぶトーナメントやリーグ戦を勝ち上がった棋士を待ち受けるのは、将棋界に8人しかいないタイトル保持者たちです。

現保持者と挑戦者がタイトルを競い合う対局は、メディアにも注目される将棋界の一大イベント。タイトルによっては最大7戦にもおよぶ長いせめぎ合いを経て、「名人」「竜王」をはじめとした、その年の将棋界を代表する棋士が決まります。

タイトル保持者になれば、各種イベントの参加や、メディアの取材を受けたりする機会が増えます。そこから得られる収入も、プロ棋士としての活動を支えているのです。

プロ棋士の段位と昇段について

プロ棋士のスタートは四段ですが、段位自体は九段まで存在します。彼らの昇段にあたっては、5つの観点から基準が決められています。

まずは公式戦の勝利数。五段なら100勝、六段なら120勝となっています。さらに、全棋士参加の棋戦での優勝や、タイトル戦への挑戦・タイトルの獲得も昇段の条件として盛り込まれています。また、タイトル戦のなかでも竜王戦や順位戦では組分けが行われており、そのなかで昇級していくことも昇段の条件とされています。

この他にも引退した棋士はプロとしての活動年数などに応じて昇段したり、抜群の成績を挙げたりした場合には理事会での審議によって昇段をすることもあります。

四段以上の棋士たちはこれらの昇段規定のもとに上を目指していくのです。

8大タイトルの特徴

上述の通り、棋界には合わせて8つのタイトルがあります。メディアでよく耳にするのは「竜王戦」や「名人戦」ですが、それぞれに特徴があり、試合形式やスケジュールなども違っています。

タイトル戦の序列は竜王戦を筆頭に、名人戦・叡王戦・王位戦・王座戦・棋王戦・王将戦・棋聖戦となっています。

序列は賞金額によって決まっているようで竜王戦の4,200万円が最高で以下、名人戦と叡王戦が2,000万円、王位戦1,000万円、王座戦800万円、棋王戦600万円、王将戦と棋聖戦が300万円と推定されています。

賞金が多ければそれだけ強いプロ棋士が参戦しますし、タイトル戦も盛り上がるので獲得賞金額が序列の1つの基準となっているのです。

各タイトル戦はスケジュールが重ならないように組まれており、年の初めに行われる王将戦から年末の竜王戦まで将棋界にはオフシーズンが存在しません

タイトル戦の構成は「予選→本戦→番勝負」といった3段階の構成になっていて、リーグ戦を1年かけて行うものもあれば、トーナメント形式により半年ほどで決めてしまうタイトル戦もあります。

それでは、それぞれのタイトル戦の特徴について見ていきましょう。

竜王戦

将棋界では、実は名人を超える序列一位とされているタイトル戦で、主宰は読売新聞社。七番勝負は例年10月から12月にかけて行われ、持ち時間は各8時間の2日制です。

「竜王」への挑戦者を決めるために、全棋士参加の予選トーナメントが行われます。トーナメントは3次予選まで行われ、上位2名と前期挑戦者リーグ4名の合計6名による挑戦者リーグがスタート。挑戦者リーグでは先手・後手を代えて行われるため、合計10局もの長丁場が繰り広がられます。

数あるタイトルのなかでも、優勝賞金が4,200万円と群を抜いています。2004年以来、渡辺竜王が9連覇を達成。将棋界の「竜王」といえば渡辺明というほど圧倒的な存在感を示しています。

渡辺竜王に羽生善治三冠が挑戦した2008年の竜王戦。この年の竜王戦は勝った方が5回目の竜王位を獲得して、「初代永世竜王」を名乗ることができるという注目のタイトル戦でした。

結果は7戦目までもつれながらも、渡辺竜王が挑戦者を退けることで、「初代永世竜王」の座を勝ち取りました。その後、森内九段、糸谷八段と竜王の座は渡りますが、2016年からは再度返り咲き。渡辺竜王の今後の活躍にも期待です。

名人戦

毎日新聞社が主宰する、将棋界の「顔」。「名人」のタイトルは400年以上続く、伝統的のある称号となっています。

名人戦は長時間の戦いとなるため、棋士の忍耐力や持久力が問われるのが特徴です。例年4月から6月にかけて七番勝負が行われます。持ち時間は9時間の2日制です。

「名人」への道のりは長く、まずは挑戦権を獲得するために全棋士参加の順位戦でA級まで昇り詰める必要があります。そして、A級に在籍する10名の間で挑戦者決定戦が行われ、8局から9局も対局が重なることもあるのです。

2002年から2015年までは、同世代である羽生善治三冠と森内俊之九段のどちらかが名人の座に就いていました。この間、羽生対森内の組み合わせは実に9回。名人の名にふさわしい両者の強さがうかがえます。

しかし、2016年には挑戦者である佐藤天彦八段が4勝1敗で羽生善治名人から、その座を奪いました。20代の名人の誕生は棋界に大きなうねりを生み出し、昨年度は佐藤名人と同世代の稲葉陽八段が挑戦の名乗りを上げました。挑戦者を決めるA級リーグにも期待の棋士が次々と昇級しつつあり、注目を集めています。

叡王戦

「えいおうせん」と読み、1日制の七番勝負で行われます。

主宰はニコニコ動画などでお馴染みのニワンゴを抱える親会社の「ドワンゴ」です。叡王戦の推定賞金額は2,000万円。ドワンゴ側としては3,000万円に設定したかったといわれていますが、他のスポンサーとの兼ね合いでこの金額となったそうです。

コンピューターと人間が競い合うというコンセプトの電王戦を引き継ぐ形で行われるものであり、「人間の知恵や叡智を競い合う」という意味でこのタイトルがつけられているそうです。

新たなタイトル戦の誕生は、1983年に昇格した王座戦以来。新聞社以外が主宰するタイトル戦としては史上初となります。なお、昨年度はトーナメント形式で行われており昨年度の優勝者は佐藤天彦名人でした。

そして2017年は話題の藤井四段の出場が決定しており、前回出場している羽生三冠の出場も濃厚です。夢の対局が実現しそうな叡王戦は目が離せませんね。

王位戦

例年7月から9月の暑い時期に行われ、持ち時間は8時間の2日制七番勝負のタイトルです。

王位戦は新聞5社(北海道新聞社・中部日本新聞社・西日本新聞社・東京新聞社・神戸新聞社)の共同開催となります。

王位戦への挑戦者を決めるために全棋士参加の予選トーナメントが行われ、上位4名と前期挑戦者リーグの4名の合計8名で紅白戦が組まれます。この紅白リーグの優勝者同士が決定戦を行い、4勝したほうが王位戦への挑戦権を得る仕組みです。

王位戦では羽生三冠の強さが際立っているものの、2007年には深浦康市九段が羽生三冠を制して、タイトルを獲得しました。最終局で見せた深浦九段の指し手は「10年に1度の妙手」と絶賛されています。

その後は2011年度に羽生三冠が広瀬八段から再び王位を奪取すると、そこから5連覇となっており、羽生三冠の防衛ロードがどこまで続くのか気になります。

王座戦

例年9月から10月に行われ、持ち時間は5時間1日制の五番勝負で行われます。主宰は日本経済新聞社で、全棋士参加の予選トーナメント上位8名と前期の8名の合計16名で争われます。

王座戦といえば、羽生三冠。これまでの王座獲得は通算で23回と怒涛の強さを見せています。

若手実力者の挑戦を受けることが多いのも特徴的。羽生三冠に挑む若手棋士たちの奮闘にも胸が躍るタイトル戦です。

棋王戦

主宰は共同通信社。例年2月から3月に行われ、持ち時間は4時間で1日制の五番勝負となっています。

順位戦B級以下の棋士により予選トーナメントを行います。上位8名と順位戦A級とB1級に在籍する全棋士をあわせた合計30名で本戦を行います。本戦トーナメントのユニークな部分は、「敗者復活戦」があることです。

1990年から2001年までは羽生三冠が12連覇、そこからは佐藤康光九段、久保利明九段、郷田真隆王将、渡辺竜王がそれぞれタイトルを獲得しています。

棋王位を連続5期以上保持している棋士に与えられる「永世棋王」は羽生三冠と渡辺明棋王です。

王将戦

例年1月から3月に行われ、持ち時間は8時間で2日制の七番勝負となっています。主宰はスポーツニッポン社となっており、1951年から続く伝統のあるタイトル戦です。

「王将」への挑戦は全棋士参加の予選トーナメントから始まります。そして、トーナメント上位4名と前期挑戦者決定リーグの上位3名の合計7名で争われ、優勝者が王将への挑戦権を与えられます。

羽生三冠が5連覇を達成した後は長期の連覇がなく、群雄割拠の状態が続いています。王将位を通算10期以上保持すると「永世王将」の称号が与えられますが、2015年3月現在では大山康晴棋士と羽生三冠のみとなっています。

棋聖戦

例年6月から8月に行われ、持ち時間は4時間の1日制となっています。主宰は産経新聞社です。

棋聖への挑戦権を得るためには、全棋士参加の予選トーナメントに参加します。そして、上位8名と前期予選上位8名の合計16名で挑戦者決定トーナメントが行われ、挑戦者を決めます。

2002年から佐藤康光九段が6連覇、2008年からは羽生三冠が10連覇中です。どこまで連覇記録を伸ばせるのかに注目が集まっています。

タイトル称号の呼び方

棋士の獲得タイトルには、その名称を表すための一定のルールがあります。

まず、竜王に在位して名人に在位していない棋士は「竜王」、名人に在位して竜王に在位していない棋士は「名人」と呼ばれます。竜王と名人の両方に在位している場合には「竜王・名人」と名乗れます。

また竜王と名人については、タイトルを失ってからも1年間は「前竜王・前名人」と名乗ることも可能です。ただし、他のタイトルに在位している場合にはその称号が用いられます。

また、竜王と名人以外のタイトルを複数獲得した場合には、どうしても呼び名が長くなるため、「二冠」「三冠」「五冠」といった呼ばれ方をします。

将棋観戦の楽しみ方

新進気鋭の棋士の活躍によって、ニュースでも話題の多い将棋。しかし、単に結果を追っているのはもったいないものです。将棋界のルールや仕組み、各タイトル戦の特徴を押さえることでより一層、将棋を楽しんでいくことができます。

テレビで将棋を観戦する時には、対局中の棋士たちの動きにも注目です。長時間にわたって対局をしていると脳みそが糖分を欲するので、甘いものをよく食べるといった部分も面白いところ

また、棋士たちの食事から好みも分かって、対局だけでなく棋士そのものにも興味が湧いてきますね。たとえば、「ひふみん」の愛称で親しまれている加藤一二三九段は、対局時は昼食と夕食にうな重の出前を10年以上続けていました。さらに過去には天ぷら定食を7年間も頼み続けていたこともあります。

また、2004年の名人戦第6局の2日目では羽生三冠が昼食に頼んだのが、なんと「天ぷら抜きの天ざるそば」!なぜ「ざるそば」と注文しなかったかは謎ですが、この日は名人位を失いかねないという大一番。天才棋士の特異な一面がうかがえました。

最近のタイトル戦はインターネットを通じての動画配信や公式ブログなどにより、リアルタイムで中継されています。対局中は棋士の個性がよく現れているので、まずは興味のある棋士の動向に注目してみると、自然と将棋のルールや仕組みも分かってくるかもしれませんね。

これから将棋を始めようという方も、何となく将棋は知っているけど詳しいことは分からないという方も、同時に楽しめるのが将棋の持つ魅力なのです。