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平成30年から改正される不動産関連の税制まとめ

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毎年見直しが行われている税制。夏頃に各省庁から「要望」が提出され、秋頃に検討、そして12月に「税制改正大綱」として翌年度以降の税制の具体的内容を網羅した税制改正の原案が発表されます。昨年2017年12月14日に公表された与党税制改正大綱に基づき、2018年の不動産税制の改正事項を確認してみましょう。

不動産税制の大きな方向性

今回の税制改正では、重要な制度の廃止はなく、「軽減措置の延長」「特例の延長」など従来の税制の変更が多いため、不動産取得や売却に今後大きな影響が出る可能性は少ないでしょう。

その改訂内容と、新設された「低未利用土地利用権設定等促進計画」の内容をご説明します。

低未利用土地利用権設定等促進計画

全国では増える空き地や空き家が問題となっており、市町村の役割強化が求められています。今後、市町村が空き家に関する情報を積極的に集め、土地や建物の売買のほか、公園への転用などの仲介役まで担うようになっていくと言われています。

市町村が売りたい人と買いたい人を仲介し、空き地や空き家を統合して公園や集会所などの地域のコミュニティースペースへの転換などを促すことも考えられます。そのために、地域の不動産市場で空き家の売買が活発になるよう、登録免許税と不動産取得税の軽減が検討されてきました。

※登録免許税とは、土地や建物を建築したり購入したりしたときに必要な所有権保存登記や移転登記等に掛かる税金。

今回の税制改正では「低未利用土地」への税優遇が盛り込まれています。

低未利用土地利用権設定等促進計画とは

低未利用土地とは、「バブル期などの工場地跡で利用が制限された土地」「虫食いのように点在していて小規模な土地」「市街地の空き店舗」「地方公共団体が持つ活用されていない土地」などを指します。

こうした土地は「売却しても良いが、各種税金や手間などを考えると所有し続けたほうが良い」といった理由で放置されてしまいがち。そこで、低未利用土地の利用を推進するために、今回の税制改正からは「低未利用土地利用権設定等促進計画(仮称)に係る特例措置創設」という名目で、以下の登録免許税・不動産所得税の引き下げが盛り込まれました。

登録免許税に関わるもの

  • 地上権設定等(土地を利用する権利)の登記:1%→0.5%
  • 所有権移転登記(所有者自体の変更):2%→1%

不動産取得税に関わるもの

  • 計画に基づく土地・建物の取得について、課税標準の5分の1を控除

登録免許税の引き下げ

土地や建物の所有権等の登記をするときには、登録免許税がかかります。税額は「固定資産税評価額×税率」となります。与党税制改正大綱ではこの税率が引き下げられ、「地上権設定等の登記は1%から0.5%」「所有権移転登記は2%から1%」となりました。

特に注目したいのは、所有者を変更する所有権移転登記が2%から1%へと大幅にダウンした点です。そもそも所有権移転登記にかかる登録免許税は、国土交通省の発表する公示価格の約70%にあたる固定資産税評価額をもとに計算されるため、1%カットは大きな変化といえるのです。

不動産取得税の引き下げ

土地や建物等の不動産を取得した際に、その不動産が所在する都道府県に「不動産取得税」を支払います。税額は、「固定資産税評価額(課税標準)×税率」となります。

今回の税制改正では「計画に基づく土地・建物の取得について、課税標準の5分の1を控除」となるため、支払う不動産取得税が少なくなります。

延長された「少額減価償却資産」と「不動産所得税の特例」

次に、不動産に関わる制度の中で比較的関係する人が多いと思われる「少額減価償却資産」と「不動産取得税の特例」の動向についてご紹介します。

今回の税制改正で、それぞれの制度が延長されることとなりました。

少額減価償却資産について

不動産投資を含め事業を営んでいる場合は、1つ10万円以上のものを購入すると資産として計上され、2年や3年、または10年など、取得した内容により複数年にわたって経費として計上していきます。

たとえば、30万円のパソコン※を新品で購入した場合、法律で決められている耐用年数は4年です。定額法と定率法で異なりますが、定額法の場合、1~3年にわたって75,000円、4年目に残しておく必要がある1円を除き74,999円を経費として計上します。

(※サーバー用でないもの)

しかしそうなると、ひとまとめに経費にできない問題が発生します。仮に1年目で大きな売上を出してしまった場合、経費として大きく計上できないため、所得が大きくなってしまいます。

そこで中小企業において認められているのが「少額減価償却資産」。30万円以下なら一括で経費に計上できる特例です。不動産オーナーなら、ソーラーパネルやエアコン、メールボックス、インターホンなどが対象になります。

今回公表された与党税制改正大綱から、この少額減価償却資産が2年延長される見通しになりました。

不動産取得税の特例について

土地や家屋を購入あるいは交換・贈与などして不動産を取得したさいには「不動産取得税」が掛かります。取得時の負担を軽減することで流動化・有効利用などを図るため、以下の特例措置が設けられています。

  • 土地および住宅に係る税率:4%→3%
  • 宅地の課税評価額:固定資産税評価額の2分1

今回の税制改正によって、これらの特例は3年延長されることになったため、不動産の新規購入について、当分税金面で心配することはなさそうです。

その他の不動産税制の動向

特定の居住用財産の買換え、及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置を延長

マイホームを売却して、新たに違うマイホームを購入するとき、時価によっては利益を得ることがあります。ただし、利益に対して大きな課税があると支払いが難しくなることも少なくありません。

この特例は、譲渡益に課される税金を繰り延べて支払えるというものです。税制改正により、2年間延長されることになりました。

買取再販で扱われる「住宅の取得に係る特例措置」の延長・拡充

中古物件を業者が買取り、品質を向上させた改修工事の後に個人用の住宅として販売されているものを取得したとき(所有権の登録移転)、登録免許税が軽減される特例です。課税標準0.3%の登録免許税が0.1%に抑えられています。これが税制改正で2年延長されました。

また今回の改正では拡充が図られ、改修後の住宅全体の省エネ性能が、断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級4以上と断熱等性能等級3も含まれるようになっています。従来よりも特例適用の範囲が広くなり、古い住宅のリノベーションでも、特例を受けられる可能性が高まりました。

マンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の、登記等の免税措置を延長

老朽化によるマンション建て替えをスムーズにするため、マンション建替事業者の権利変換手続きの免税について、2年の延長が決まりました。

不動産所有者にとって直接的な関係はあまりないですが、税金復活による事業者からの費用加算の心配がなくなります。

まとめ

平成30年の税制改正は、不動産関連で見ると例年と大きな変化はなく、延長されて引き続き適用される制度が多くありました。

新設された「低未利用土地利用権設定等促進計画」には、今後も注目していきたいところ。他にも延長される特例などが多いため、ご自身に関係性の高い制度についてはしっかり確認しておきましょう。