【保存版】親が亡くなった後の葬儀の流れ・必要手続き総まとめ

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【保存版】親が亡くなった後の葬儀の流れ・必要手続き総まとめ

身近な方が亡くなると、気持ちの整理をつけながらも、やらなければならない手続きや処理を適切にこなしていかなければなりません。

やるべきことや流れがわからず、「心ならずも不義理をしてしまった」「相続の手続きに見落としがあった」といった失敗談も少なくありません。

そこで今回は、親が亡くなった時に必要な手続きや葬儀、相続関係などの流れをまとめました。

順を追って進めていけば大丈夫です。焦らずにひとつひとつを丁寧にクリアしていくようにしてください。

なお「葬儀」と一言でいっても、宗教の種類や宗派などによって内容や順序が変わりますのでご留意ください。

親が亡くなってから初七日までにすべきこと

親が亡くなってから初七日までにすべきこと

臨終から初七日までにやらなければならないことには、次のようなものがあります。

  1. 臨終・死亡確認
  2. 葬儀の打ち合わせ・段取り
  3. 関係者へ連絡
  4. 納棺
  5. 通夜
  6. 葬儀・告別式
  7. 火葬~拾骨
  8. 初七日法要
  9. 精進落とし
  10. 後飾り

1. 臨終・死亡確認

医師から危篤と判断されたら、肉親に至急連絡しましょう。看取りをする人たちは病床に集まります。それ以外の人たちには、通夜や葬儀・告別式の日時が決まってから連絡するのが良いでしょう。

医師による死亡宣告を受けた後、医師から死亡診断書(または死体検案書)を発行してもらいます。死亡診断書と死体検案書は同じ用紙で発行しますが、亡くなった場所や状況によりどちらかが決められます。

  • 病院で亡くなった場合、診断した医師が死亡診断書を発行します。
  • 自宅で病気療養中の場合や急に倒れて亡くなった場合は、かかりつけの医師に発行してもらいます。かかりつけの医師がいない場合は救急に連絡しましょう。救急に連絡後は、医師の検視が終わるまで遺体に触ることはできません。
  • 自死や不審死の場合は警察へ連絡します。警察による検証後、検視を担当した医師に死亡診断書(死体検案書)を発行してもらいます。
  • 不慮の事故、交通事故による即死や労働災害事故にかかる死亡の場合、警察の指定医による検視が必要です。検視後、指定医に死亡診断書(死体検案書)を発行してもらいます。

死亡宣告を受けたら、すぐに葬儀社を手配します。死後24時間は遺体を火葬してはならないと法律で決められており、その間、遺体を安置しておく必要があります。

遺体の搬送は寝台車で行いますので、葬儀社に依頼し、自宅または葬儀場に遺体を搬送して安置します。

2. 葬儀の打ち合わせ・段取り

●喪主の決定
喪主は法要や墓参りを主催します。故人の配偶者、または血縁の深い人が喪主となるのが一般的です。

●葬儀社担当者と打ち合わせ
葬儀日時・内容などを決めます。

●死亡届の提出
死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。提出先は故人が亡くなった場所や本籍地、届出人の住所地の自治体で、死亡診断書(または死体検案書)とともに提出します。
届出人は親族や同居者、後見人などの関係者である必要がありますが、身寄りがない場合は病院長などとなる場合もあります。提出は代理人でも可能です。

●火葬許可証の発行
火葬許可証は、死亡届提出後、それを受理した自治体が発行します。火葬許可証がないと火葬はできません

●火葬場の手配
自治体によっては、死亡届を提出する際に火葬場の予約が必要です(滋賀県野洲市など)。火葬場の手配は、葬儀社に依頼したほうがスムーズです。死亡宣告を受けたら、すぐに葬儀社を選びましょう。

3. 関係者へ連絡

臨終の場にいなかった人に連絡します。

●親戚や友人、仕事関係先へ連絡
通夜・葬儀・告別式の時間などが決まり次第、連絡をします。故人や遺族の仕事関係の人については勤務先の上司などに電話し、他の人への伝達をお願いします。

●ご近所・自治会などへ連絡
故人の自宅両隣には、直接あいさつしましょう。自治会などへは自治会長や役員の方を通じて連絡します。

4. 納棺

●湯灌(ゆかん)
遺体を入浴させ、洗浄することです。遺体を清めて、見送る支度をします。

●納棺
遺体をおひつぎに納める時は最期のお別れなので、親族を中心に行います。

●愛用品を納める(副葬品)
故人の愛用品をおひつぎに納めます。燃えにくいガラスや金属製品は避けましょう。

●祭壇に遺体を安置

5. 通夜

通夜は、葬儀・告別式の前にご遺体を見守る儀式です。本来は親族や親しい人が一晩中、明かりを絶やさずにご遺体を見守っていました。近年では弔問客を招き、僧侶の読経を行いお別れする形式も増えています。

一般的な通夜の流れは以下の通りです。

一般的な通夜の流れ

●受付
事前に受付係を決めておきます。喪主は開式の1時間前には準備を整え、弔問客を出迎えます。

●喪主・親族着席
喪主を先頭に着席。一般的には、祭壇に向かって右側に遺族が座ります。

●弔問客着席

●僧侶入場
僧侶の入場により、通夜が始まります。

●読経
僧侶により読経が行われます。

●焼香
席順に従い、一人ずつ、焼香を行います。焼香の作法は宗派によって多少異なるので、事前に確認しておきましょう。

●僧侶退場

●喪主あいさつ
喪主は弔問客にあいさつし、通夜振る舞いの席へと促します。

●通夜振る舞い
喪主は僧侶や弔問客に感謝の意を伝え、故人をしのびながら食事を振る舞います。

通夜が終わったら、葬儀・告別式に備えて葬儀社の担当者と打ち合わせします。葬儀の式次第や紹介をする弔電、喪主あいさつや出棺時にひつぎを運ぶ人などを決めます。

6. 葬儀・告別式

葬儀当日の朝に、紹介する弔電・焼香順・精進落としの数量などを葬儀社の担当者と確認します。

一般的な式の流れは以下の通りです。

一般的な葬儀・告別式の流れ

●受付
式開始の30分前には受付を始めます。会計係は信頼できる人にお願いしましょう。

●喪主・親族着席
喪主・親族は式開始10分前には着席して待っておきましょう。

●弔問客着席

●僧侶入場
一同起立し、黙礼して僧侶を迎えます。

●開式の辞
司会者(一般には葬儀社担当)により述べられます。

●読経
僧侶により読経が行われます。

●弔辞
故人へ送る別れの言葉を、故人と親しかった人などに事前に依頼しておきます。

●弔電紹介
司会者が奉読した後、祭壇に供えます。

●焼香
僧侶が焼香をした後、喪主・親族・弔問客が焼香を行います。

●僧侶退場
焼香後、僧侶は退場します。

●喪主あいさつ
喪主は葬儀が終わる際、参列者にお礼を述べましょう。

●出棺準備~出棺
花をたむけてお別れをしたら、火葬場へ出棺します。

7. 火葬~拾骨

火葬場へは親族や親しい人だけが同行します。火葬炉前でお別れし、火葬場で待機します。火葬が終わったら遺骨を拾い、骨つぼに納めます。

8. 初七日法要

本来は死亡日から7日目に行う法要ですが、現在では葬儀当日に還骨のお経と併せ、繰り上げて行うのが一般的です。

9. 精進落とし

本来は四十九日の忌明けに行うものですが、現在では繰り上げの初七日法要の後に行うことが多いです。親族やお世話になった人たちに喪主があいさつし、酒や食事を振る舞います。

10. 後飾り

葬儀終了後、遺骨を一時的に安置する祭壇です。自宅に簡単な白木祭壇を設置し、遺骨・位牌(いはい)・遺影写真を安置。四十九日を終えたら、仏壇でおまつりします。

葬儀にかかる費用の記録は残しておく

葬儀に関する費用について、ひとつポイントです。葬儀にかかる費用は相続税の控除対象となります。申告に備え、領収書は保管しておいてください。領収書がない場合は、支払った内容・支払日・支払先を記録しておきましょう。

葬式費用に該当するものの例

  1. 葬儀会社に支払った費用
  2. 通夜・告別式にかかる飲食費用
  3. 手伝ってもらった人への心付け
  4. お寺や神社に支払ったお布施・戒名料・読経料
  5. 埋葬・火葬・納骨にかかった費用
  6. 参列者に渡す会葬御礼費