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夢のシニア起業!事例から見る成功の秘訣と注意点

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近年、シニア起業を促すセミナーや書籍がよく目に留まるようになりました。これまでのキャリアにおける知識や人脈を活かすことができる反面、シニア起業だからこそ注意しておきたい点もあります。

今回は、シニア起業を周到に進めるためのポイントを紹介したいと思います。

シニア起業とは?

明確な定義はありませんが、一般的には、50代、60代以降での起業をシニア起業と呼んでいるようです。

昨年末に日本政策金融公庫総合研究所が公表した「2016年度新規開業実態調査」によると、1990年代は30代までの開業、現在は40代以降の開業が過半数を占めており、2016年現在における開業時の平均年齢は42.5才、50代以降の開業は23.1%となっています。徐々に高年齢化してきていることがわかります。

現在の事業を選んだ理由としては、どの世代でも「これまでの仕事の経験や技能を生かせるから」が1位になっています。また、「地域や社会が必要とする事業だから」という理由を選ぶ人が60才以上では25.9%ともっとも多いことは特徴的といえます。

※画像をクリックすると大きくなります。
※参照データ:「2016年度新規開業実態調査」 -アンケート結果の概要-

シニア起業のメリットは?

技能・経験・人脈

シニア起業のメリットは、やはり仕事で培ってきた技能や経験を活かせる点です。創業融資においても、審査上、事業経験は重視されます。経営者の経験は、事業の成否に影響を与える要素と考えられているということです。長年築いてきた人脈を事業展開に活かせることも強力な武器となるでしょう。

国の支援制度が利用できる

開廃業率の改善や中高年齢者の活躍を促すため、国はシニア起業を支援する制度を用意しています。厚生労働省による生涯現役起業支援助成金は、そのうちのひとつです。日本政策金融公庫の融資においても、女性向けや若年者向けとともに、55才以上の起業者が利用できる制度が準備されています。

シニア起業の成功例、失敗例

何気ない経験でも活かすことができれば成功要因に(Aさん女性62才の例)

専業主婦のAさんは料理が得意で、自宅で料理教室を開催していました。近所の奥さま方にも好評で、憩いの場所になっていました。

子供たちが独立したことをキッカケにAさんは自宅を改装、自宅兼店舗として地元の野菜を売りにしたお惣菜カフェを開業することにしました。実家が農家だったことから、旬の野菜に対する知識や流通ルートの把握もできています。

野菜を使った惣菜やお菓子を道の駅やファーマーズマーケットに出すことによりカフェの宣伝もできています。奥さま方からの口コミも後押しし、お店はいつも繁盛しています。

フランチャイズに加盟してスムーズに起業(Bさん男性61才の例)

Bさんは高齢者の役に立つビジネスに安定して取り組みたいと、様々なフランチャイズビジネスの説明会に参加して情報収集を始めました。

その中で、一人暮らしのお年寄りにお弁当を宅配する「宅食ビジネス」のフランチャイズに加盟することに決めました。フランチャイズ本部の研修などのおかげで、顧客開拓の方法を学び、地域のケアマネージャーや社会福祉協議会とのパイプを持つことができました

弁当の仕入や販促物などはすべて本部から調達できるので、Bさんは顧客や営業先とコミュニケーションを取りながら発注を受ける仕事をしています。

欠品させないためにある程度の在庫を抱える必要があったりとリスクもありますが、お年寄りやそのご家族からも感謝され、充実した毎日を送っています。

起業の夢だけでは成功は難しい(Cさん男性60才の例)

Cさんはサラリーマン時代からずっと起業したいという思いを抱いてきました。55才の時に職場の制度を利用して早期退職の道を選択。退職金をもとに独立起業することを決意しました。

ラーメン屋巡りが趣味だったCさんは、好きなことを仕事にしようと、50万円の講習費を払い10日間のラーメン学校に入学しました。講習終了後も自身で納得のいくオリジナルスープの開発に3か月を費やし、満を持して開業までこぎつけました。

しかし、立地の選定、広告手法などマーケティング面のノウハウがなかったため集客がうまくいかず、開業半年で廃業することに。後から思えば、立地や商品開発も顧客目線を意識していなかったことを反省しています。

 

シニア起業の成功の秘訣は何か?

Cさんの失敗の要因は、自身の経験や人脈をうまく活かせなかったことにあります。一方で、Aさんは料理教室での経験や人脈、実家の事業の知見を活かせたところが成功の要因となっています。

失敗例もありますが、新しいことにチャレンジするのも悪いことではありません。寿司学校に3か月通ったオーナーが開業した寿司店が、開店11か月でミシュランガイドに掲載された例もあります。

時代に即した学び方と自分のセンスや知識をうまく組み合わせれば、成功の可能性は広がるでしょう。

シニア起業で気をつける点は?

若年層に比べると事業の成功確率は低い傾向

日本政策金融公庫総合研究所が2016年3月に公表した「20歳代開業者の実態と課題」によると、20才代では赤字基調となった割合が25.5%ですが、55才以上では43.9%となっています。55才以上は黒字になるまでの期間が他の世代と比べて長期化する傾向にあります。

資金の準備

廃業の要因として資金繰りは大きな影響を与えます。シニア起業の場合は融資期間を長く設定するのが難しいことがあげられます。

シニア起業家支援資金も融資上限は大きく設定されているものの、融資限度額まで借りられることはマレです。融資をあてにせずに、開業資金をコツコツ貯めていくことが大切です。

マーケティング能力

シニア起業では、人生経験やキャリアが長いため自信過剰になったり、過去の成功体験にとらわれたりして、提供する製品やサービスが独りよがりなものになる可能性が考えられます。

今、どのような製品やサービスが求められているのか、フラットな気持ちでマーケット分析してみることが必要かもしれません。また、知見のある人に相談してみるのもいいでしょう。

ITへの対応

マーケティングにおいて、WEBページの作成、SNSの活用、インターネット広告の利用などのITを使った施策も重要となっています。

また、仕入などの物品購入、外注先への業務の依頼、会計記帳や確定申告など、シニアの苦手なIT活用の場が多くなっています。最低限の勉強が必要であることは、頭においておきましょう。

健康や体力面

シニア層が、若い時のようにバリバリ仕事をするのは体にも負担がかかるため、無理なく働けるビジネスを選択するのも1つの考え方です。

病気になったときのことも考え、自分がいなくてもビジネスが回る仕組みを、元気なうちに構築することが理想といえます。

まとめ

年齢を重ねたことによるリスクがあるのも事実です。しかし必要以上に及び腰になることはありません。

サラリーマンを退職し、子供も親元を離れ始めたこのタイミングこそチャンスです。人生を通して培った経験とスキル、そして豊富な人脈。国や社会からの後押しもある今こそ、新しい第一歩を踏み出すには絶好の機会と言えるでしょう。

「今さら会社勤めができるような年齢でもない...」と諦めていたのなら、ひとつ「起業」という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。