トランクルーム経営を始めるためには
トランクルーム経営に必要な物
土地
まずは土地がいりますが、賃貸物件のように駅からのアクセスや日当たりなどの環境はそれほどシビアに考慮する必要はありません。それよりも車でのアクセスのしやすさ、出入りのしやすさのほうが重要です。
コンテナ
「収容力がある」「収納物の出し入れがしやすい」「セキュリティー性能が高い」など、利用者にとって使い勝手が良いコンテナを選びましょう。
トランクルームは倉庫のような無機質な雰囲気がありますので、デザインがおしゃれなものを選ぶと、個性を演出できて利用者が集まりやすくなるかもしれません。
防犯設備
トランクルームはその性質上、頻繁に人が訪れるサービスではありません。人通りが少なくなりがちなので、盗難等の被害から守るため、防犯設備は揃えておく必要があります。
防犯カメラや電灯の設置は必須といえます。管理人が不在でも対応できるよう、警備会社の防犯設備を導入するケースも見られます。
駐車場
トランクルームを利用するユーザーは、車が多いと考えられるため、利便性のために駐車場を設置した方が良いでしょう。
駐車場の広さや位置については、コンテナ型ならば車を横付けして荷降ろししやすいように配慮したり、万が一の事故が起きないような配置を考えたりと、工夫が必要になります。
トランクルームを開業するための手続き
トランクルームを開業する際は、国土交通大臣に届け出することが倉庫業法で義務付けられています。申請書や図面、コンテナの仕様書などを提出しなければいけません。ご自身で難しいようであれば、司法書士に相談することも可能です。
運営形態を決める
業者委託型 | フランチャイズ型 | 独立型 | |
コスト | △ | ○ | ◎ |
運営の手間 | ◎ | ○ | △ |
経営の自由度 | △ | ○ | ◎ |
リスク | ◎ | ○ | △ |
トランクルーム経営のスタイルには「業者委託方式」「フランチャイズ型」「独立型」の3つに大きく分けられます。
業務委託型
業者委託型は、自身でトランクルームのオーナーとなりますが、運営を外部の業者に完全に任せる方法です。委託費用などコストはかかりますが、運営や管理の手間はかからないため、副業としても運用がしやすいです。実務は業者が行うので、初心者でもリスクが低いのがメリットです。
フランチャイズ型
フランチャイズ型は、コンビニエンスストアや飲食店などと同様、トランクルームを運営している会社のフランチャイズに加盟する方式です。
経営や運営のノウハウを教えてもらえることと、大手企業のブランドを使ってビジネスができるため、初心者でもはじめやすいのがメリットです。業者委託と比較するとコストは低いですが、それでも加盟金やロイヤリティを支払わなければならないのがデメリットです。また、基本的に自分で運営を行うので、業者委託型よりも手間は多くなります。
独立型
独立型は誰の手も借りずに完全に自分で運営する方式です。ロイヤリティなどのコストが不要で、好きなように経営できるのがメリットです。一方、業者委託方式のような運営のサポートや、フランチャイズのように経営のノウハウを教えてもらえるといったことはないので、初心者にとってはリスクが高い方法であること、運営の手間がかかることがデメリットです。
はじめてトランクルーム経営をされる方、あるいは他に本業をもっていらっしゃる方なら、まずはリスクと手間が少ない業者委託型かフランチャイズ型が良いでしょう。
トランクルーム経営のメリット
特別な設備が要らないことが大きな特徴です。最低限の土地とコンテナさえあれば運営は可能です。条件が良い土地は必要なく、初期投資も200万円〜500万ほどといわれており、賃貸経営と比べると圧倒的にはじめやすいビジネスです。
また高い利回りも魅力的です。仮に初期投資を400万円、コンテナを14室設置して、利用料金は月額7,000円、常に満室だと仮定しましょう。
7,000円×14室×12ヶ月で、年間の収入は117万円です。初期投資額が400万円なので、117万円÷400万円で、想定利回りは29.3%となります。
仮に400万円を利息3%、5年ローン元利均等返済で借りた場合、返済金額は約431万円ですから、44ヶ月(3年7ヶ月)で元が取れることになります。
実際には空室になることもありますが、仮に満室率7割(10室が満室)とした場合でも表面利回りは21%です。管理会社に毎月管理を1万円で委託したと想定しても、実質利回りは18%となります。
不動産投資の利回りは10%行けば良いほうだといわれているので、トランクルームはかなり利回りが高いビジネスといえます。
他にも「フランチャイズ型や業者委託であれば初心者でも運営がしやすい」「収納物が破損や盗難に遭った際に使える損害保険サービスも充実している」「潜在的なニーズが高く伸びしろがある」といった点もメリットとして挙げられます。
実例でみるトランクルーム経営に向いている人の特徴
50代男性のAさんは老後に備えて、持っている土地でトランクルームを開業。はじめてということもあり運営は業者に委託し、定年後に独立型に切り替えようと考えています。
40代男性のBさんも同様に土地を持っていますが、働き盛りのサラリーマンということもあって、なかなか運営や管理に時間が取れないため、Aさんと同様に運営は業者に委託しています。
60代男性のCさんは将来的に土地を子どもに生前贈与するつもりですが、それまでの期間のつなぎとしてトランクルーム経営を始めました。定年退職した後で時間もあるため、フランチャイズに加盟してノウハウを勉強しながらトランクルーム経営を行い、収入を生活の糧にしています。
土地を相続した人がトランクルーム経営をはじめるケースもあります。30代男性のDさんは父親から郊外の土地を相続したものの、駅から遠いなど条件が悪くてなかなか買い手が見つからなかったため、トランクルーム経営を始めました。本業があるので、業者に運営を委託しています。
上記の実例をみると「リスクを回避しつつ土地活用がしたい」「本業が忙しいけど副業をしたい、副収入を得たい」「短期間での土地活用をしたい」「誰も欲しがらない悪条件の土地を所有している」といった方々にはトランクルーム経営に向いているといえるでしょう。
まとめ
トランクルーム経営は賃貸経営と比較すると初期投資も安く、手軽にはじめることが可能です。副業やつなぎ感覚での経営でも利益を得られる可能性も十分にあります。
土地活用でお悩みの方や、副収入を得たい方は、トランクルーム経営も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。