太陽光発電の2019年問題とは?一般家庭における太陽光発電の現状と未来

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これからの太陽光発電は?

2019年以降、太陽光発電で享受できる利益が目減りしてしまうのは事実です。しかし、太陽光発電による電力買取制度自体は継続されます。買取価格が安くなったとしても、引き続き売電契約を結ぶことで、利益を得られるでしょう。

また「売電できる」ということは「電気が余っている」ということ。蓄電池を導入することで余剰電気をより有効に活用することができます。昼間の太陽光で発電した電気を夜間に利用し、電力会社から電気を買わないようにするだけでも大きな節約効果が期待できます。加えて災害などの非常時にも活躍できます。

太陽光発電と蓄電池を導入した場合のシミュレーション

たとえば東京都内で1ヶ月の電気料金が1万円程度の家庭で、太陽光発電システム(設置容量:約5kW)と蓄電池(蓄電池容量:約7kW)を導入した場合のシミュレーションは以下の通りです。

余剰電力の買取価格を24円とした場合、年間で節約できる電気料金は約15.6万円となります。

仮に、太陽光発電の価格が150万円、蓄電池の価格が200万円と過程すると、初期費用を回収するのには約27年掛かる計算になります。

今の一番の課題は、初期の設置にかかる費用が高額になる点です。単純な経済効果だけを期待すると、今はまだお得な投資先とはいえないかもしれません。しかし蓄電池の価格は年々低下する傾向にありますので、低価格化が期待できるかもしれません。

また、太陽光発電を導入するメリットは「非常時の電源」や「電気を自給自足できる生活」にありますので、経済的利益だけを追求しない視点も大切です。

太陽光発電以外の再生可能エネルギーは?

太陽光の他にもさまざまな再生可能エネルギーの研究が進んでおり、一般家庭での活用に期待が寄せられています。どんなものがあるのか、自家発電用として使えるかどうかも含めてご紹介します。

再生可能エネルギー 仕組み 現状
風力発電 風力発電は風の力でプロペラを回して発電。沿岸や山の上などに設置されている。 設備が大掛かりなうえ、騒音などの公害がネックだが、近年では小型化・消音化が進んでいる。
水力発電 水力で羽根車(水車)を回して発電。「マイクロ水力発電」と呼ばれる家庭用水力発電装置もあり、農業用用水の水路などから取水して発電するシステムもある。 大掛かりな設備と水源が必要なため、一般家庭に導入にはまだまだハードルが高い。
地熱発電 地熱(火山活動などによる地中の熱)を利用してタービンを回して発電。 大掛かりな設備が必要なため一般家庭にはまだ普及していない。地熱を利用した床暖房システムなどがあり、これからの活用が期待される。
バイオマス 微生物や生ゴミから発生したガスや間伐材などを燃焼させてタービンを回すなど、動植物などから生み出されるエネルギーを利用して発電。 フィンランドの会社が家庭用のバイオマス発電システムを開発。家庭用といっても設備が大掛かりで導入コストも高額なため、一般住宅の導入には時間が掛かりそう。

まとめ

定置型蓄電池のコストが2030年までに最大66%ダウンする見通しだと、国際再生可能エネルギー機関が発表しました。他にも「太陽光発電と蓄電池を利用したほうが、電力会社から電気を買うよりも安い時代が来る」というエネルギー専門家の話もあります。

導入コストが高いために、一般的に普及しているとはまだ言い難い太陽光発電システムですが、「必要な電気をすべて自給自足し、電力会社から電気を買わない生活」の実現も、そう遠い未来ではないのかもしれません。