あなたの退職金どうする?プロが語る充実したセカンドライフのためにできる事

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長年勤めた会社から受け取った退職金の運用方法についてご相談をいただくことが増えています。

バブル時代といわれる1980年代後半から1990年代初頭の銀行金利がよかった時代は定期預金に入れていても7パーセント近くの金利がついていたので、60歳で退職金を受け取って10年預金しておくと、男性の平均寿命が80歳、女性が87歳とした場合、これに公的年金を合わせればセカンドライフ約20年〜30年は十分生活していけました。

このように十分な金利の恩恵を受けられていた時代もありましたが、そのあと続いたデフレと言われている約25年の間、上がり下がりしてきた金利はついに今年2016年1月からマイナス金利の影響を受け、メガバンクは普通預金の金利を0.001%、定期預金の金利は預ける金額や期間にかかわらず、一律年0.010%に引き下げました。

3,000万円を定期預金に入れていても倍になるのは7,200年後と非現実的な年数がかります。退職金などの大きなお金は銀行の定期預金や普通預金以外での運用も考えてみるといいと思います。

2016年9月に日本銀行調査統計局が発表した「資金循環の日米欧比較」のなかに、「家計の金融資産構成」という興味深いデータがあります。

関連:家計の金融資産構成

昔から日本人は貯金が大好きと言われてきましたがデータから一目瞭然です。日本人の現預金保有率が52.7%に対して米国人は13.6%と少なく株式等の比率が35.3%と最も大きくなっています。

その背景として日本人の約過半数の成人がお金について具体的に勉強したことがないのに対して米国では幼稚園から高校でお金について学ぶカリキュラムがあることや、自身で本やインターネットで学ぶ人が多いことが挙げられます。

また2012年12月16日安部首相が発表されたアベノミクスはインフレ率年2パーセントを喚起するということです。国策として「国民のみなさん、インフレ対策をしてください」というメッセージとして捉えることもできます。

では銀行金利が期待できず、今後インフレ傾向になる可能性がある日本経済の中、まもなくはじまるセカンドライフ(老後の生活)を充実させるためどこにどんな方法で運用することが賢いのか考えてみたいと思います。

まずインフレ対策をする方法の具体的な方法を3つ挙げたいと思います。

  • 株を買う
  • 不動産を持つ
  • 外貨を持つ

しかし金融知識が乏しかったり金融の購入経験が少ない方がいきなり個人の判断で始めてしまうと危険かもしれません。アセットアロケーション(資産配分)とポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)はその方のリスクの許容度、資産状況によって変わりますので専門家に相談しながら始めることが望ましいでしょう。

また65歳以上になりますと、長生きすることによってかかる一般的な生活費以外に介護や医療にかかった場合の費用の備えも同時に考えていく必要があります。
20代、30代から多くの日本人が加入している生命保険等の金融商品もライフステージの変化によって見直しが大切です。

一般的には、お子様が幼いうちは万が一の保障を厚くし、お子様が就職して独立したら自身の老後や介護といった問題を中心にプランニングし、Live Long(長生き)の対策を退職金を使って立てるとリスクマネジメントと資産形成を同時に確保していくこともできます。

またインフレ対策として一般的に円建ての生命保険より予定利率の高い外貨建て生命保険などを組み合せてみても良いかもしれません。

ただし、保険は加入からすぐに解約すると元本割れするリスクがあることや外貨建ての生命保険に関しては為替リスクもあるのでその点は加入時にしっかりと専門家から説明を受けていただければと思います。