実家の片付けを成功させるコツ
親の気持ちを最優先にする
「実家を片付けて欲しい」という自分の気持ちだけが先行しないよう気を付けましょう。片付けのメリットを十分に説明し、本人がしっかりと納得してからはじめないと、一時的な対応で終わってしまいます。
「いらない物を捨てたら掃除が楽になったよ。お母さんもやってみない?」などとメリットというイメージで言葉をかけてみてください。
「どうしてできないの?」と否定的な言葉や「片付けをやってあげる」「片付けさせる」といった言葉や言い方は、反抗心が芽生えるので控えましょう。本人がやりたいと思ったときに手を差し伸べることが重要なのです。
心配しているという意思を伝える
親に対して執拗に片付けをするよう促したり、生前整理について話したりするのは、ネガティブな意味で受け止められかねません。親が拒否反応を起こすような単語は出さず、「物が多いことで生じる危険性やデメリットを心配している」ことを伝えてみましょう。
小さなスペースからはじめて達成感を
まずは洗面所や玄関などの小さなスペースから片付けるようにしましょう。また、きれいに片付けができた嬉しさを親と共有することも大切です。
「すごくきれいになったね!すてきだね!」などと言葉をかけてあげましょう。そうすることで、親は片づけをすることの達成感が生まれ、次のスペースを片付けるモチベーションが湧きます。
高齢者にとっての片付けは、私たちが思っているよりハードです。片付けをしたい気持ちがあっても、身体や思考がついていかないこともあるということを理解してください。
自分の価値観を押し付けない
物の要・不要はすべて持ち主である親に決めてもらいましょう。勝手に捨ててはいけません。
たとえ不要な物に見えたとしても親からすると大切な物かもしれません。そのため、「捨てて」「ゴミだね」「いらないでしょ」などの決めつけるような言葉も控えましょう。
実家の片付けの一番の目標は、親が安全で健康に毎日を過ごせるようにするためです。親の気持ちに寄り添った言葉がけを心がけましょう。
思い出話に花を咲かせながら一緒に作業をする
思い出の品(プレゼントや写真・手紙、子どものころの思い出)は親だけでは処分するのが難しいものです。一緒に思い出話に花を咲かせつつ、楽しく片付けをしてみてください。
捨てるのが難しい物を無理に処分する必要はありませんが、大きいもの、多いものなどは写真に撮ってアルバムにして残すのもいいでしょう。
また、思い出の品は手放しにくい物であり、最初に手を付けてしまうと失敗しやすいです。捨てることに慣れてきた「片付け後半」に手を付けましょう。
兄弟姉妹がいるなら、片付けの様子や処分を検討している物を写真に撮るなどして、進捗を共有しましょう。あとから「あれは大切なものだった」といったトラブルにならないように、連絡を取り合っておくことが大切です。
義実家の場合は実親以上に難しい
義実家の家を片付ける場合は、関係がこじれてしまう可能性が高いです。実の親のように気軽な関係でない限り、積極的に片付けを促すのは難しいかもしれません。
もし、安全が脅かされるようなひどい状態であれば、健康への被害を心配している意思と「困ったときはいつでも手助けしたい」という真摯な姿勢を伝えておきましょう。また、なるべく実子の口から伝えてもらうのもポイントです。
まとめ
実家の片付けは、実の親子間であってもデリケートな問題です。まずは、親が片付けの必要性をきちんと理解する必要があるので、長い目で、少しずつ進めていきましょう。
また、完ぺきを目指さず、「親が安全で健康に過ごせる住まいにする」という一番の目標を忘れずに、じっくり向き合っていくことが大切です。