「市街化調整区域」の売買・活用で注意すべきポイント

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土地を売買したり活用するときは、その土地が土地計画法の「市街化調整区域」に該当するかどうかをチェックすることが重要です。該当した場合には、土地の売買や活用にさまざまな制限が課されてしまいます。

今回は、市街化調整区域についての解説と、土地の売買や活用の際に注意すべきポイントをまとめました。

この記事で学べること

市街化調整区域とは

市街化調整区域の土地を売買・活用する際の注意点

市街化調整区域の土地をスムーズに売買・活用するためのポイント

市街化調整区域とは?

都市計画法第7条には「都市計画区域について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分を定めることができる。」という条文があります。

住宅や商業施設などを建ててむやみに開発を進めると、農地の減少や、自然環境・住環境の悪化を引き起こす可能性があります。そこで、「市街化区域」と「市街化調整区域」という2つの区分を設け、行政で市街化をコントロールできるようになっています。

市街化区域 すでに市街地を形成している区域、あるいは10年以内に優先的に市街化を図るべき区域。原則として1,000平方メートル未満の開発であれば許可を申請する必要がなく、自由に土地を利用することが可能。
市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域。原則として新しく建築物を建てたり・増築したりすることができない。

住宅や商業施設が建ち並ぶ都心は市街化区域に、郊外の田園地帯は市街化調整区域に区分されていることが多いです。

たとえば関東を例に挙げると、東京23区はほとんどが市街化区域と定められており、東京都の多摩地区の一部地域や神奈川県、千葉県、埼玉県の大部分が市街化調整区域となっています。

なお市街化区域内には、生産緑地法によって農地となっている生産緑地も存在しています。

参考記事
> 生産緑地とは何か?概要と現状、今後の展望について考える

市街化調整区域における様々な制限

市街化調整区域では、原則として農林漁業用建築物や公的な施設以外は、都道府県知事の許可なく建造物を新築できません。たとえ地目が住宅用の土地であることを示す「宅地」であっても、市街化調整区域においては自由に家を建てることは許されません。

すでに存在している建物の増改築や移転する際にも、特定行政庁の建築確認を受ける必要があります。

道路や水道、ガス、電気などのインフラが整備もされていないこともしばしばあり、今後も積極的な整備があまり期待できない可能性があります。

居住に適さないエリアであることから、コンビニやスーパーなどの施設や、電車やバスなどの交通機関が発達していないなどの特徴もあります。