「市街化調整区域」の売買・活用で注意すべきポイント

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

市街化調整区域の土地を売買・活用する際の注意点

市街化調整区域の土地を利用するにはさまざまな制限があり、売買する際にも注意が必要です。

1. 土地の評価が低い可能性がある

上述したとおり、市街化調整区域では開発許可がなくては建物の新築・増改築ができません。

手続きの面倒さに加えて、許可がおりるかどうかも不確実です。インフラ整備やコンビニなどのサービス業も不十分であるため、市場価値は低くなってしまいます

2. 住宅ローンの融資が下りないことがある

住宅ローンは、土地と建物を担保にお金を貸してくれる仕組みですが、市街化調整区域では土地の評価が低く、差し押さえても換価しにくいため、担保価値が低くなります。そのため、金融機関も市街化調整区域の土地購入に融資するのは消極的な傾向にあります。

比較的安い傾向にある市街化調整区域ですが、買い主の資金力が求められるため、買い主が限られてしまいます。

加えて、売買契約時には「住宅ローン特約」を求められるケースが多いでしょう。これは「売買契約は締結するが、融資ができなかった場合は契約を白紙解除する」というもので、買い主を保護するための特約になります。

3.農地の場合は住宅用の土地として利用できない

地目が農地に関連する「田」や「畑」である場合、農地法によって他の用途への転用が規制されているため、農地としてしか利用できません。

例外的に農地以外の用途として利用する場合は、都道府県知事や農林水産省の許可が必要となり、そこでは転用するための正当な理由が必要になります。

地目の詳しい解説や調べ方などは、以下の記事を参考にしてください。
> 失敗しない土地選びには「地目」が重要!注意すべき地目とよくある失敗例

市街化調整区域の土地をスムーズに売買・活用するためのポイント

市街化調整区域だからといって、必ずしも売買や活用できないわけではありません。市街化調整区域の土地をスムーズに売買したり活用するためのポイントを2つご紹介します。

建築許可が不要になるケースに該当するかどうかを確認する

市街化調整区域であっても地方自治体の条例によっては、許可を申請すれば開発や建築を認めているケースもあります。市役所の建築指導課などに問い合わせれば確認が可能ですので、事前に調べるようにしましょう。

また、「都市計画事業」「土地区画整理事業」「市街地開発事業」「住宅街区整備事業」など、事業用に開発することが認められた区域にある土地であれば、許可を申請する必要もなく建築を進められます。

親から市街化調整区域の山林を相続したAさんは、その土地を宅地として転用して成功した人のひとりですが、大変な苦労がありました。

まず土地に関する調査を各市役所で調査する必要がありました。都市計画課で話を聞くために、地図や公図、登記事項証明書や確定測量図などの資料を用意し、合わせて建築計画に関する資料を持参。その後、建築基準法に適合しているかどうかを建築指導課に確認し、林業水酸化には山林計画などの資料が必要でした。

加えて、市街化調整区域で建築することの正当性や必要性を認めてもらう必要があります。Aさんは、山林の周辺に住まう人々のために必要か建築であると訴え、最終的に許可が降りたのです。

市街化調整区域に強いパートナーを選ぶ

不動産会社の中でも、市街化調査区域を得意とする不動産会社を選ぶようにしましょう。

市街化調整区域の土地を避けようとする不動産会社も少なくありません。その一方で、競合が少ないことから市街化調整区域を専門に扱う会社もあります。

そういった会社は市街化調整区域の土地をスムーズに売買するノウハウも持ち合わせています。不動産会社を選ぶ際には取引実績を見たり、実際に市街化調整区域の土地を扱っているかどうかを確認しましょう。

不動産一括査定サイトを使うのもおすすめです。複数の不動産会社に査定を依頼すれば、土地の相場観が掴めるとともに、高値で買い取ってくれる業者が見つかりやすいでしょう。また、市街化調整区域に詳しい不動産会社を効率的に見つけることもできます。

まとめ

市街化調整区域の土地は通常の土地と比べて取り扱いが難しい特徴があります。一般的な売買のセオリーが通用しないケースが多いため、専門的な知識や経験を有する不動産会社を見つけ、相談してみることが大切です。