入居者が"あったらいい"と思う設備と仕様の最新事情

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どんな設備が最新のトレンド?

毎年、全国賃貸住宅新聞が調べている「人気の設備ランキング」(全国345社の仲介・管理会社が回答)をもとに、賃貸アパートにおける人気の設備や最新の仕様をみてみましょう。この調査では単身者向けとファミリー向けに分けてランク付けされています。ここでは何年か連続してランクインしている定番の設備から、初めてランキングに入ってきたものまで、トレンドをご紹介します。

全国賃貸住宅新聞「人気の設備ランキング」

単身者向けの物件

順位設備
1(↑2)エントランスオートロック
2(↓1)インターネット無料
3(↑4)ホームセキュリティ
4(↑外)浴室換気乾燥機
5(→5)ウォ―クインクローゼット
6(↑10)TVモニター付インターホン
7(→7)宅配BOX
8(↑9)防犯カメラ
9(↑外)洗浄機能付便座
10(↓8)追い焚き機能付給湯

ファミリー向けの物件

順位設備
1(→1)追い焚き機能付き給湯
2(↑3)エントランスオートロック
3(↓2)インターネット無料
4(↑6)ホームセキュリティ
5(→5)システムキッチン
6(↑外)浴室換気乾燥機
7(↑8)ウォ―クインクローゼット
8(↓7)太陽光パネル(入居者個別売電)
9(↑10)24時間利用可能ゴミ置き場
10(↓4)エコキュート

※( )内は前回順位、外はランク外
※いずれも「全国賃貸住宅新聞」2014年調べ

浴室換気乾燥機や洗浄機能付き便座はもはや必需品

ランク外から新たに入ってきた設備や、定番となっている設備は、入居者が部屋選びをする際の優先基準にしているとみるべきものです。

例えば、今まではランク外であった浴室換気乾燥機。

単身者向け、ファミリー向けともに定番になりつつあります。特に、ここ1、2年の新築物件には必ずといっていいほど付いています。洗濯物を外干しするのに抵抗がある女性入居者や花粉症などのアレルギーなどを気にする入居者、さらにPM2.5の影響を受けやすい地域などでは必需品といえるかもしれません。これに加えて、室内に物干し金物があればさらに便利です。

もう1つは、洗浄機能付き便座です。

内閣府の消費動向調査(2016年3月)によれば、この洗浄機能付き便座の世帯普及率は8割を超えています。若い世代はこうした便利な機能での生活に慣れているため、先ほどの浴室換気乾燥機同様に定番の設備になりそうです。昔は、衛生面で敬遠されがちでしたが、ノズルだけの交換も可能になりメンテナンスも楽になりました。

やはり人気が高いのがセキュリティ設備

昨今の社会情勢から入居者は防犯に対する意識が高くなっており、多くのセキュリティ関連の設備がランクインしています。

エントランスオートロックやホームセキュリティなど、単身者、とりわけ女性の一人暮らしでは安心できる生活を求めるので、今後もこうした設備は定番となるでしょう。

また、後付けで比較的簡単に導入できるセキュリティ設備として、ランキングにもありますがTVモニター付インターホンは有効な設備といえます。古いアパートなどでも、入居率を上げるうえで効果的となるかもしれません。

インターネットや宅配BOX、ウォークインクローゼットも

急速に拡大するネット社会に対応しておくためには、単なるインターネット接続可だけではなく、インターネット無料のサービスが必須になり始めています。

加えてネット通販の普及もあり、不在時でも受け取れる宅配BOXも人気があります。特に、単身者や共働き世帯(DINKs)では非常に重宝される設備であり、設置検討の価値は高いと思われます。

また、ウォークインクローゼットも単身者向け、ファミリー向けとも人気の設備で、豊富な収納量を希望する入居者が多い表れです。

以上をまとめれば、単身者向けとファミリー向けでは多少の違いはあるものの、浴室換気乾燥機や洗浄機能付き便座、オートロックなどのセキュリティ設備は今後、付帯設備の定番になると考えてよいでしょう。

今アパートは、大昔のように雨風さえしのげばよいというものではありません。快適に暮らす最新の設備仕様が付いて当たり前の時代となっています。

オーナーも嬉しい外装などのメンテナンスフリー仕様

最近のアパート、特に低層のアパートなどでは外壁材のメンテナンスが不要なものも普及しています。

木造では何年かごとに外壁の塗り替えなど、メンテナンスに多額のコストがかかるものでした。しかし、技術の進歩から親水式(水に馴染みやすい特殊な表面加工により、表面に付着した埃を雨水と一緒に流す)の外壁サイディング材や光触媒を使った外装タイルなど、数十年間は塗り替え不要な素材も出てきました。また、屋根材も遮熱効果のあるタイプや外装材同様に数十年間はメンテナンス不要のものが出始めています。設備とは異なり、入居者の生活に直接関連するものではありませんが、維持管理コストを抑えアパート経営の収支改善に役立つものとなります。こうしたあらたな仕様にも注目しておきたいものです。

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