インターネットの普及で物件の情報が充実したものの、やはり入居の決定の後押しとなるのが内見です。「この部屋に住みたい」と思われるために、ちょっとしたアイテムや気配りを施すことで、契約に結びつく可能性が上がります。
今回は効果的に内見を行うポイントとして入居が決まりやすい部屋づくりを中心にご紹介します。
1月、2月は内見シーズン
春からの大学入学や新社会人生活を間近に控える1月、2月は、アパートの需要が本格的に盛り上がるシーズン。単身者用物件を中心に、内見者が増える季節でもあります。
学生や独身の社会人などが大半を占める単身者の引越しは3月が圧倒的に多く、引越し情報サイト「ズバッと引越し比較」が発表しているデータによると、通常期の3倍程度にのぼっています。
ちょっとした工夫で住みたくなるお部屋を演出
内見から契約にいたる「打率」を上げることは、満室経営を目指す上での大きなポイントです。勝負の決め手は、内見者にどれだけ「この部屋に住みたい」と感じてもらい、「暮らしをイメージ」してもらえるかにかかっています。
大きなコストをかけなくても住み心地のよさをイメージ付けることができます。分譲物件のモデルルームの演出をヒントにした効果的な部屋づくりをご紹介しますので、内見シーズンを前に、ぜひ取り入れてみてください。
玄関
玄関は物件に入ってすぐ目にする場所です。人の出会いと同じく、第一印象は非常に重要なので、清潔感を与えられるよう、念入りに清掃しておくようにしましょう。
内見者用のスリッパは用意しておくようにします。高い値段のものを買う必要はありませんが、今までの入居者の属性を読み取って、デザインを使い分けると良いでしょう。「学生が多いならポップな色合い」「OLが多いならナチュラル系」など、ワンランク上の心遣いがあると印象が大きく異なります。
リビング
リビングは入居者が最も長い時間を過ごす部屋なので、ラグやクッション、写真立てなどで楽しい暮らしをイメージ付けることが大切です。また、アロマを用いて部屋に対する好感度を高めるのもよいでしょう。
キッチン
おしゃれなお鍋やグラスなどを配置することで、楽しいキッチンライフを演出すると、その部屋での暮らしに期待感が高まります。
トイレ
トイレは清潔感が重要です。無機質なイメージになりがちなので、カラフルなトイレットペーパーを導入すると、コストをかけずに華やいだ雰囲気を付加してライバル物件との差別化を計れます。
クロス
壁紙は、一部だけ雰囲気や色彩の違うものを使う「アクセントクロス」がトレンドです。最近ではヴィンテージ感のあるインダストリアル系のクロスなども人気を集めているので、センスよく活用してみたいところです。
わかりやすく気持ちのよい内見で気配りをアピール
内見にあたって「おもてなし」の気配りがあると、訪れてくれた人に好印象を与えることができます。「スリッパ」や「匂い」についての例も挙げましたが、どうしたら内見者が気持ちよく見学できるかを考えるようにしてください。
アパートの設備や周辺環境など、入居者が知りたい情報を用意しておく気配りも効果的です。
物件の特徴をまとめた資料を配布したり、室内のアピールポイントについてポップを作って置いておくのも良い工夫です。
コンビニ、スーパー、薬局、病院などの施設を記載した近隣のマップを用意すれば、立地の利点を理解しやすくなります。持ち帰って検討してもらえるよう、間取り図等の物件資料を備え付けておくのもよいでしょう。
まとめ
内見に訪れる人はその時点で候補の物件を数件程度に絞っています。その他の条件で多少ライバル物件に負けていたとしても、内見時の印象がよければ、逆転して契約を勝ち取れる確率は上がります。
使えるコストの範囲内でいかに好印象を与えられるか、知恵を絞り、汗をかくことが不動産投資の成功につながります。
特集:満室あってのアパート経営 - 「満室経営」のポイントとは?
第1回:アパートオーナー必見!内見から契約への成約率を上げるポイントとは?
第2回:アパート満室経営のポイント!トラブルを回避するための入居時審査のチェック項目
第3回:アパート経営を持続するポイントは入居中のケアにあり!
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