市場規模は16倍!? 空家・空室アパート対策としても注目の民泊ビジネス

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市場規模は3年足らずで16倍!?需要高まる民泊マーケット

市場規模は3年足らずで16倍!?需要高まる民泊マーケット

民泊ビジネスは、2014年~2017年の3年間で市場規模が約16倍に拡大しました。背景には好調な訪日観光客の増加があり、不足する宿泊施設を民泊が補うかたちでビジネスの規模が拡大したと考えられます。

観光庁が公表した最新の住宅宿泊事業(民泊)の宿泊実績(2018年8月~9月)によると、宿泊実績は以下のように増加しています。

  • 宿泊日数(全国)の合計:146,894 日(前回比 213.8%)
  • 宿泊者数(全国)の合計:169,958 人(前回比 204.2%)

国内外の利用者の比率とその内訳は以下のような結果となっています。

●国内在住者:28.8%

●海外からの旅行者:71.2%
・東アジア:68.5%
・東南アジア:13.9%
・北米:14.6%
・欧州:11.0%
・オーストラリア:4.6%
・その他:8.2%

民泊ビジネスは法制定前まで、旅館業法(簡易宿所営業)に抵触する部分があったため一般的なビジネスモデルではありませんでした。しかし2018年に住宅宿泊事業法(民泊新法)が制定され、誰でも気軽に始められるビジネスとなったのです。

「2019年ラグビーワールドカップ日本大会」「2020年東京オリンピック」「2025年大阪万博」など、訪日観光客の増加を見込めるイベントが続くため、今後も市場規模の拡大が期待できるでしょう。

民泊をめぐる行政や事業者の動き

民泊ビジネスは、空家・空室アパート対策として注目されているほか、地域の活性化や地方創生などにも貢献できることから、行政や自治体や多数の不動産開発事業者が力を入れています

そのため、民泊特区の地域は、民泊ビジネスを始めやすい環境が整いつつあるといえます。

一方、独自の条例によって、民泊に対する規制を強化している自治体もあります。

例えば、大阪市は住居占領地区での営業を禁止し、小学校の敷地周囲100メートル以内では営業時間の規制を設けるなど、近隣トラブル回避のための施策を行っています。

大阪府は国家戦略特別区域(国家戦略特区)に該当していますが、交野市・吹田市・松原市は「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」の認定を受けていないため、特区民泊の特例が適用されません。

特区民泊に該当していない、または何らかの規制や制限がある場合、物件を取得した後でそのことに気づいても手遅れになってしまいます。民泊ビジネスを始めるにあたって、問題ないエリアかどうか事前に情報収集しておくことが重要です。

まとめ

好調な訪日外国人の増加を背景に、民泊の需要は高まっています。2018年までの民泊ビジネスは、旅館業法との兼ね合いで取り決めが曖昧な側面がありましたが、今は住宅宿泊事業法(民泊新法)の制定により、安心して事業を始められるようになりました。

民泊新法では民泊の営業日数に180日以内という制限を設けたため、収益性は規制前より低下しました。

しかし、独自に条例を定めている民泊特区ではこの上限は適用されないため、収益性が高くなります。日本国内でいくつもの大きなイベント開催が控えていることを考えると、空家・空室対策として民泊ビジネスは今後も期待できるでしょう。