IPO投資の特徴
上場直後に高騰しやすく、利益を出せる可能性が高い
通常の株式投資は売り時の見極めが非常に困難で、「株価の上昇を見込んで保有していたが、値が下がり、損してしまった」という失敗は少なくありません。
IPOの場合、企業の将来性に期待して購入する人も多いため、初値が高くなる傾向にあります。そのため、初値で売る投資家が大半であり、売り時を見極めやすいのもメリットです。
IPO市場は、景気が回復し始め、企業活動が復調した2013年ごろから活況になりました。近年ではIPOの7割〜9割が利益を出しており、公募価格の2倍〜5倍という大幅な値上がりをするケースもみられます。
ただし、初値が公募価格より下がる「公募価格割れ」になる可能性もゼロではありません。その場合、初値で売ってしまっては損をしてしまいますので、注意が必要です。
初値で売らずに長期保有することも可能ですが、上場後は値動きが乱高下しやすいため、売り時を判断しにくい傾向があります。保有する際は、長期的に保有し続けるつもりでいると良いでしょう。
判断材料が少ない分、購入をシンプルに判断できる
通常の株式投資は、すでに上場している企業が無数にあるなかで、各企業のIR情報・業界動向・過去の値動きチャートなど、さまざまな資料を分析して投資を行わなければなりません。
一方IPOの場合は、そもそもIPOを実施する企業が少ないため、分析する対象企業が限られます。加えて分析材料も業績資料と業界動向という程度で、多くは企業の将来性に賭けて投資する傾向にあります。判断材料が少ない分だけ、初心者でも判断しやすいのが特徴です。
抽選によってIPOの可否が決まる
購入できるか否かは抽選の結果次第であり、抽選に外れてしまっては、購入することすらできません。注目を集める人気企業ほど競争率が上がってしまい、抽選から外れる可能性が高くなります。
当選確率を上げる方法として、
- IPOの主幹事証券会社から申し込む方法
- 懇意にしている対面系証券会社から申し込む方法
などがあります。
抽選方式は証券会社によって違いがあります。「完全平等制」を採用しているところもあれば、申込数が多い人ほど抽選に当たりやすくなる「ポイント制」を導入しているところもあります。
IPOの購入手順
1. 証券口座を開設
IPOは取り扱っている証券会社が限られるため、IPOの主幹事や幹事を多く務めている証券会社で開設するのが良いでしょう。特に主幹事証券会社は抽選に当たる確率が上がりますのでおすすめです。
すでに希望するIPOがある場合は、その主幹事証券会社で口座開設をするのがおすすめです。NISA口座だと税優遇も受けられるのでよりお得です。
2. 購入したいIPOを調査・企業分析
日本取引所公式サイトより、IPOのスケジュールや企業情報が確認できます。公開されている企業の財務状況や目論見書などを確認し、購入したいIPOを決定しましょう。「気になるIPOはひとまず抽選に申し込んでみる」というのも可能です。
3. IPOの抽選に申し込む
申し込みの際は、複数の証券会社から申し込むことが可能です。より多くの証券口座から申し込んだり、仮条件の値幅上限で申し込んだりすることで、当選確率を上げられます。
証券会社によって異なりますが、抽選申込時や当選時には、購入資金の入金が必要となりますので、IPO購入資金もあらかじめ準備しておきましょう。
4. 抽選結果確認、購入意思表示をして申し込み完了
当選していたら、証券会社に購入意思表示をしましょう。この購入意思表示をもって申し込み完了となります。申込み期間が1週間でも、意思表示期間は約2日程度しかない場合があるので、忘れずに手続きをしましょう。
IPO投資で資産運用を始めよう
IPO投資は、通常の株式投資と比べて値上がりが期待しやすく、購入から売却までのプロセスがシンプルなので、投資初心者でも取り組みやすい投資商品といえます。企業分析をきちんと行い、将来性があって初値も期待できる企業を見つけると良いでしょう。
興味がある人は、まずは証券会社で口座を開設して、利益が期待できるIPO探しから始めましょう。