アパート経営・アパート建築をはじめとした土地活用ならレオパレス21[9]アパート建築の構造と工法

  • メールマガジン登録
  • ご相談・お問合せ
  • 資料請求
第3章実務を知ろう

[9]アパート建築の構造と工法

アパート賃貸経営にとって、どのような「構造」のアパートを建てるかはとても重要なポイントです。構造とは建物の重さを支える「骨組み」のことで、主に「柱」と「梁」を指します。骨組みとなる部分に木材を使えば「木造」、鉄骨なら「鉄骨造」と分類されます。工法によっては「壁」も構造に含まれます。どの構造を選ぶかは経営に大きな影響を及ぼしますので、最適な選択できるよう、特徴を知っておきましょう。

構造によるメリット・デメリット

構造は、建物が完成すると基本的に見えない部分ですので、普段目にする建物が木造か鉄骨造か、あまり意識することはないでしょう。ですが、賃貸アパートを経営するとなると、構造によって、「建築コスト」、「工期」、「法定耐用年数」、「融資の受けやすさ」、「火災保険料」といった様々な点で違いが生じてきます。それぞれの構造にメリットとデメリットがありますので、一概に「〇〇造がベストだ」といえるものではありません。オーナー自身の経営方針や資金状況にあった構造を選ぶようにしましょう。

ちなみに、「アパート」「マンション」という名称の使い分けには、明確なルールはありません。一般に、木造や軽量鉄骨造は「アパート」、RC造や重量鉄骨造なら「マンション」と呼ばれることが多いようです。また、物件名に使われる「コーポ」や「ハイツ」も構造とは関係なく使われている名称です。

構造によって異なるメリット、デメリット

1.木造

柱や梁などの骨組みに木材を使用したものを「木造」と呼びます。「木造アパート」と聞くと古めかしい印象を受けるかもしれませんが、デザインや住み心地にこだわった最先端の木造物件もあります。以前は2階建てまでしか建てられませんでしたが、法改正で3階建てまで認められるようになり、部屋数も多く採れるようになりました。

メリットは、「建築コストが比較的安い」ことと「工期が短い」ことが挙げられます。また、「法定耐用年数が22年」と、他の構造に比べると短かいため、「キャッシュフロー面で有利」です。どうして「耐用年数」が短い方が有利なのでしょうか? 建築にかかったお金を耐用年数で割った額を、毎年「減価償却費」として計上します(実際は一度に支払ったお金を、毎年少しずつ計上する会計のルールです)。耐用年数が短いほど毎年の減価償却費が多くなるため、見かけ上の利益は少なくなります。利益が少ないということは、支払う税金が減り、手元に残るキャッシュが増えることになります。収支やキャッシュフローに関するくわしい説明はこちら(収支計画の基礎知識)をご覧ください。

デメリットもいくつかあります。「市場価値の低下が早い」ため、いざ売却しようとすると、想定よりも低い価格になることもあります。銀行から「融資を受けにくい」というデメリットもあり、自己資金を多く用意する必要があったり、建築するアパート以外の担保を求められたりします。「火災保険料が高い」のも注意点です。ただし、耐火被膜工法を採用するなどし「耐火建築物」の認定を受ければ、「RC造」とさほど変わらない保険料になります。また、「防音性が低い」といった居住性に関する弱点があり、「家賃」はあまり高く設定できない物件が多いです。

木造の構造

2.鉄骨造

骨組みに「鉄骨」を使用したものが「鉄骨造」です。「木造」で使う木材を鉄骨に置き換えたものをイメージすればわかりやすいでしょう。2階建て住居や小規模な店舗に多い「軽量鉄骨造(鉄骨の厚さが6mm未満)」と、高層ビルにも使われる「重量鉄骨造り(同6mm以上)」があります。法定耐用年数は鉄骨の厚みによって異なり、19年(厚さ3mm以下)、27年(3mm超4mm以下)、34年(4mm超)となっています。

「鉄骨造」の特徴は、多くの点において、「木造」と次に紹介する「RC造」の中間だと考えてください。火災保険料については、「耐火建築物」の基準に適合するなら「RC造」と同様に低く抑えることができます。耐火建築物の基準に満たない場合は「耐火構造」となり、「木造」と「RC造」の中間的な金額になります。「防音性」などの居住性は、構造だけでなく、壁に使うボードの厚さなどにも依存しますので、一概にはいえません。また、鉄骨を多く使うため、「建築費用」が鉄の価格相場の影響を受けることになります。2020年の東京オリンピックといった大規模なイベントが近づくと、鉄相場が高騰し、建築コストを押し上げる可能性もあります。

鉄骨造の構造

3.RC造

柱や梁、壁や床に「鉄筋コンクリート」を使用したとても頑丈な建物が「RC造」です。鉄筋コンクリートとは、コンクリートの内部に鉄筋を芯として配置することで強度や耐久性を高めたものです。英語で「reinforced concrete」なので、頭文字を取って「RC」と呼ばれています。

頑丈な建物ができるので、メリットも多数あります。「耐火性」「耐震性」が高く、入居者が安心して暮らせますし、「防音性能」が高く、居住性にすぐれています。そのため、木造よりも家賃を高めに設定できるのが普通です。銀行からの評価が高く、「融資が受けやすい」というメリットもあります。「火災保険料」も安く抑えることができます。

デメリットは、「建築コストの高さ」と「工期の長さ」です。頑丈な建物ですから、どうしても費用と時間がかかります。また、「法定耐用年数が47年」と長いので、毎年計上できる減価償却費は少なくなり、「キャッシュフロー面では不利」になることもあります。

RC造の構造

工法で決まる自由度と将来性

これまでにみた3つの「構造」には、それぞれいくつかの「工法」があり、工法ごとに特徴が異なります。「間取りの自由度」や「将来的なリフォームのしやすさ」といった点に違いが出てきます。

1.木造の工法

在来工法(軸組工法)

木材を使って柱と梁を組み上げる工法で、広く普及しており、戸建て住宅に多く用いられています。間取りプランの自由度が高く、部屋数を変えるといった大規模なリフォームもしやすくなっています。

ツーバイフォー(2×4、木造枠組壁工法)

「木材のパネル」を組み合わせて、床、壁、屋根をつくる工法。2インチ×4インチを基準とした木材を使用するので「2×4(ツーバイフォー)」と呼ばれています。それぞれの面が構造となるため、「耐火性」「耐震性」にすぐれた建物になります。「高気密」「高断熱」で冷暖房効率がよいのもメリットです。材料が規格化されており、職人の手作業が少なくて済むため、短い工期で完成します。ただし、プランに関する自由度は低いです。壁も構造の一部になるので、開口部を大きく採れないといった制約もあります。後からリフォームして4DKを2DKに変えるといった間取り変更は基本的にできません。

2.鉄骨造の工法

鉄骨ラーメン工法

「ラーメン」はドイツ語で「枠」のこと。接合部分をしっかり固定し、柱と梁で建物を支えるのが「ラーメン工法」です。シンプルな工法なので、組み立て精度が高く、品質が均一で、工期が短いというメリットがあります。間取りプランの自由度が高く、かなり広い部屋をつくることもできます。

鉄骨ブレース工法

「木造」の在来工法と同じように柱と梁で骨組みを組みますが、「ブレース」と呼ばれる「筋交い」を柱と梁の間に斜めにかけます。これによって強度が高まり、「耐震性」も向上します。規格化された部材を使用するため品質が安定しており、建築コストが安く、工期は短く済みます。

3.RC造の工法

RCラーメン工法

「鉄筋コンクリート」で組まれた柱と梁がしっかりと一体化しているもので、とても頑丈な構造になります。建物自体が重くなるので、低層階はよりしっかりとした骨組みにする必要があります。間取りプランの自由度は高いのですが、大きな柱や梁が部屋の中にせり出すのが難点です。敷地の広さなどの条件が許せば、柱や梁をベランダに出して居住空間を広く確保することも可能です。

RC壁式工法

柱や梁を使わず、壁と床といった「面」で建物を構成する工法です。シンプルな低層建築に向いています。柱や梁がないので室内や外観がすっきりし、内装や外装の自由度が高くなります。「耐震性」「耐火性」「防音性」にすぐれた性能を発揮します。ただし、間取りを変更するような大規模リフォームはできません。

地盤と基礎工事

どれほど頑丈な構造と工法でアパートを建てても、「地盤」が軟弱だと、建物が傾くトラブルが起こることもあります。そういった事態を避けるために、工事前に「地盤」を調査し、必要に応じて「地盤改良」を行ったうえで「基礎工事」を施すことになっています。

「地盤調査」には、短時間で行える「スウェーデン式サウンディング調査」や、費用はかかりますが信頼性の高い「ボーリング調査」といった方法があります。どのような「地盤改良」と「基礎工事」が必要となるかは、地盤の状態と建物の重さによって異なります。以前は水田だった土地や、川や沼地が近くにある土地、車が近くを通ると揺れるような土地は、地盤改良が必要となるケースが多いです。軽量な「木造」住宅であれば、簡易な基礎工事で建てることができますが、重量のある「RC造」なら、よりしっかりとした基礎工事が必要となります。

地面の下には「支持層」という、建物の重さを支えることができるしっかりとした地層があり、この支持層がどのくらいの深さにあるかがポイントとなってきます。土中の浅い位置に支持層があるなら、建物の重量を支える基礎を地盤に乗せる「直接基礎」という基礎工事で十分です。支持層が地中深くにある土地では、支持層にまで届く長い杭を何本も打ちこむ「杭工事」を行ってから建物を建てる必要が出てきます。

こういった作業を怠ると、地震が起きた際に「地盤沈下」が起きて建物が傾いたり、壁に亀裂が入ったりしますので、アパートの価値を維持するためにも重要な作業だといえるでしょう。

まとめ
アパートを建てるには「構造」と「工法」の選択肢があって、それぞれメリットとデメリットあることをみてきました。「建築費用」や「工期」といったことだけでなく、「家賃設定」や「キャッシュフロー」のように、経営に長期的な影響を及ぼすものもあります。個人ではわからない技術的な部分もありますので、早い段階で不動産会社などの専門家に相談し、様々な視点から検討するようにしましょう。

はじめてのアパート賃貸経営トップに戻る

ご希望の方に冊子をお届けします

データで読み解く賃貸住宅経営の8つのリスク
ページトップ