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第2章市場を知ろう

[4]アパート賃貸経営の市場環境

どのようなビジネスも「市場環境」の影響から自由ではいられません。アパート賃貸経営も同様で、成功するかどうかは市場環境に左右される面があります。「少子高齢化」といわれる日本は、アパート賃貸経営を行ううえで有利な状況にあるのでしょうか? また、どのような工夫をすれば、変化する消費者像に対応することができるのでしょう。市場環境と消費者ニーズをみていきましょう。

少子高齢化と人口減少

1.少子高齢化が進む日本社会

日本社会の大きな傾向として、「少子高齢化」が挙げられます。「少子化」とは、出生率が下がり、生まれてくる子供の数が減ること。「高齢化」は、平均寿命の伸びなどを背景に、人口に占める高齢者の比率が高くなること。このふたつが同時に起こっているのが「少子高齢化」です。

具体的に数字をみてみましょう。減少傾向が続いていた「出生数」は、2016年、ついに100万人を割りこみ、97万6979人となりました。一方、総人口に占める「高齢者(65歳以上)」の割合は、2017年に26.7%となり、すでに4人に1人が高齢者となっています。将来の予測では、「高齢化率」は上昇を続け、2035年に33.4%となり、実に3人に1人が高齢者になると考えられています。諸外国と比較しても、日本の高齢化率は高く、高齢化のスピードは速いものがあります。

全人口に占める65歳以上の割合

2.人口減少が続く

日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに、それ以降、減少が続いています。総務省統計局の人口推計によると、現在の総人口は1億2679万人(2017年2月)で、ピークからすでに129万人も減少しました。人口減は今後も続き、2053年には1億人を割りこむと予想されています。

このように全国的には人口減少が続いていますが、都市部を中心に人口が増加しているエリアもあります。2010年から2015年にかけて東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・愛知県・滋賀県・福岡県・沖縄県では人口が増加しました。

日本の総人口

3.世帯数の減少は少し緩やか

人口減少は「住居を必要とする人」が減ることにつながりますので、アパート賃貸経営にとって、市場環境の大きな変化だといえるかもしれません。ですが、「住居を必要とする人」を示すもうひとつの指標である「世帯数」に着目すると、変化はもう少し緩やかだということがわかります。

人口とは異なり、「世帯数」は2019年の5307万世帯でピークを迎えるまで、微増が続きます。その後は減少に転じ、2035年には4956万世帯まで減少します。人口が減っているのに世帯数が増えるのはどうしてでしょうか? その要因は、世帯構成の変化にあります。大人数で暮らしていた世帯が減り、「単独・夫婦のみ・ひとり親と子」という少人数の世帯が増えるため、世帯数が増加します。特に「単独世帯」が占める割合は、2010年の32.4%から2035年37.2%と、割合を伸ばす見通しです。

もうひとつ押さえておきたい傾向は、世帯主の「高齢化」。「65歳以上が世帯主」となる世帯の割合は2010年の31.2%から2035年には40.8%まで高まると考えられています。

供給量の増加

どのような商品も、「需要(買いたい人)」が少ないのに「供給(商品の生産量)」が多ければ、それだけ売れ残りが多く生じます。アパート賃貸経営でいえば、借り手が見つからず「空室」になるということです。「空き家」の増加は、報道されているように、社会問題になりつつありますし、新築物件の「着工数」も増えています。単純に考えれば「供給過剰ではないか?」と考えたくなりますが、実態はどうなのかみていきましょう。

1.「新築着工件数」は増加傾向だが新陳代謝の一面も

2008年のリーマンショックを境に賃貸住宅の「着工件数」は大きく落ちこみましたが、2012年以降、回復基調となり、ゆるやかに上昇を続けています。2016年には、「貸家の新築着工数」がリーマンショック以降で最高値となりました。上昇傾向の要因のひとつは2015年の「相続税制の改正」。相続税の基礎控除が縮小され、より多くの人に相続税がかかるようになったことから、節税に効果のあるアパート賃貸経営に関心を持つ人が増えました。また、「マイナス金利政策」の影響もあり、投資として有望な不動産市場に投資マネーが流れこんだことも一因です。

「新築着工数」が増加しているからといって、賃貸アパートがどんどん増えているということではありません。新築が増えると同時に、老朽化したアパートの建て替えや取り壊しも行われています。「新耐震基準」が導入された1981年以前に建てられた物件が、稼働中の賃貸住宅の15~20%程度と、多数存在しています。それらの古い物件が新築物件に入れ替わっていく「新陳代謝」の過程だと考えることができます。新築着工数が増えていますが、それが供給過剰に直結するわけではないといえるでしょう。

2.「空き家」は増加しているが古い物件が中心

もうひとつみておきたいのは、ニュースでも話題になるようになった「空き家」の増加。住宅総数に占める「空き家」の割合は13.5%で、およそ7戸に1戸が空き家となっています。この数字は一戸建てを含むものですので、「賃貸住宅」に限って空き家率を調べてみると、2008年からはほぼ横ばいで、2013年に20.0%となっています。1983年が12.4%だったのに比べると上昇しています。空き家総数約820万戸のうち、実に56.1%を賃貸住宅が占めています。

これらの数字を並べると、アパートは空き家が多いようにもみえますが、ここでも古い物件が空き家率を引き上げているという実態があります。「賃貸用空き家」のうち16.7%が1980年以前に建てられた建物です。建築時期不詳の物件も多く、この割合はさらに高いと考えられています。また、「空き家率」は関東大都市圏や中京大都市圏では低くなっており、都道府県による開きも大きいです。アパートの建築を予定しているエリアの状況を調べるようにしましょう。

若い世代における「持ち家志向」の低下

市場環境を考える上でもうひとつ重要な観点に、「持ち家志向」の変化があります。大勢の人が「住居は持ち家がいい」と考えれば、賃貸住宅の需要は減る可能性がありますし、逆に「賃貸でもかまわない」と考える人が増えれば、需要は増加します。実際に住まいが「持ち家」なのか「借家」なのかをみてみると、2015年の国勢調査では「持ち家率」は63.6%で、5年前の調査よりも上昇していました。「民間の借家」は28.1%で、5年前と変わっていません。

この数字からは、「持ち家志向」は相変わらず高いようにみえますが、国土交通省が行った別の調査※では、世代間で異なる意識が浮き上がってきます。「土地・建物については両方とも所有したい」と回答した人は全体では79.5%となっていますが、20歳代では63.1%に留まりました。若い世代では「持ち家志向」が低く、「借家でもよい」と考える傾向が強まっていることがわかります。

(※国土交通省 平成27年度「土地問題に関する国民の意識調査」より)

借家でもかまわないと考える理由は、「年齢や家族構成に応じて住み替えやすい」ことや、「生活水準を落としてまでローン返済に縛られたくない」といったことが挙げられています。「地震などの自然災害で資産を失うリスク」も念頭にあるようです。若い世代の「持ち家志向の低下」は、将来的に賃貸住宅の需要拡大につながる可能性があるといえるでしょう。

最近の入居者のニーズ

ターゲット層に合わせた設備を

以上のような統計データから、今後、どのような入居者ニーズが発生するか予想することもできます。たとえば、これから増える「高齢者世帯」をターゲットにし、高齢者が住みやすい設備を整えること。室内に段差がなく、浴室やトイレに手すりを設置した「バリアフリー」の住宅であれば、高齢者世帯にとって魅力的なものとなるはずです。立地についても、交通利便性より、病院へのアクセスのよさや、日常の買い物のしやすさを優先しますので、ファミリー世帯向けとしては不利な場所でも、高齢者向けならメリットを打ち出せることもあります。

ターゲットとなる層にあわせた設備を用意するのは、とても大切なことです。年代を問わず、「安心して快適に暮らしたい」という気持ちはどの入居者も強く持っています。「安心」のひとつは「災害」への強さ。耐震性が高く、火災にも強いことを、構造や工法から説明できればメリットが伝わります。「防犯対策」も重要で、「モニタ付インターホン」を希望する入居者は増えています。住戸の鍵は、ピッキング対策された「ディンプルキー」であればより安心です。ある程度の規模のアパートなら、「玄関のオートロック」や「防犯カメラ」も設置を検討する方がいいでしょう。

「快適さ」に関して、多くの人が気にするのは「音」です。防音や遮音性にすぐれた物件に住みたいと考える人が増えています。まわりの音が気になる人もいれば、自分の生活音や子供の声で迷惑をかけたくないと考える人もいます。また、ネット通販の普及を受けて「宅配ボックス」の設置も必須となっていくことでしょう。

どんな人に住んでもらいたいかをイメージし、その人にアピールする「売り」となる設備を導入すれば、競争力のあるアパート賃貸経営が実現できるのではないでしょうか。

IoTを活用した最先端のアパート

今、注目されているのは「IoT」を活用した最先端のアパートです。IoTとは、”Internet of Things”の略で、「モノのインターネット」と訳します。パソコンやスマートフォンだけでなく、様々なモノをインターネットにつなげることで生活を便利にしていく技術です。

たとえば「リモコン」について考えてみましょう。TVやエアコン、照明器具、それぞれにリモコンがあり、部屋の中にいくつもリモコンがあるのが普通です。もし、これらの家電がすべてスマホから操作できるようになれば、どうでしょう? それだけでとても便利になるはずです。リモコンをなくす心配からも解放されます。さらに、外出先から家電を操作することもできるので、帰宅前にエアコンのスイッチをスマホ経由でオンにして、部屋を暖めておくことも可能になります。

スマホで玄関の鍵の開け閉めを行う「スマートロック」も普及し始めています。「鍵をかけ忘れたかも…」と不安になった時は、スマホからチェックできるので安心です。オーナーは、入居者が変わった時にデジタルな鍵を発行すればいいだけなので、鍵屋さんに来てもらって錠を取り換える必要がなくなり効率的です。IoTを活用すれば、オーナーと入居者双方にとって、より安心で快適なアパートをつくることができます。

まとめ
これからも日本では人口減少が続きますが、世帯数は2019年まで微増が続きますので、アパート賃貸経営に必ずしも不利な状況ではありません。また、高齢者世帯や少人数の世帯が増加することが予想されています。そういった人たちをターゲットとし、「安心」と「快適さ」を実現する設備を用意することが、経営を成功させるポイントになってくるでしょう。

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