アパートオーナー必見!シェアハウスが若者世代を中心に人気な理由とは?

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近年、一戸の住宅を複数人が共用して暮らすシェアハウスが急増しています。なぜ急激にシェアハウスが注目を集めているのでしょうか?その理由を検証してみましょう。

シェアハウス人気の背景にあるもの

シェアハウスはアパートや賃貸マンションと違って、礼金や敷金がなく保証人も不要という物件が多いのが特徴です。大概は保証金と契約手数料だけで、契約期間も1ヶ月からと、入居者にとってハードルが低いのが人気の理由のようです。

そして、賃貸物件を経営するオーナーにとっても、シェアハウスは魅力的な存在。当初は個人オーナーの空室対策という色彩が強かったのですが、近年ではアパートや賃貸マンションを1棟丸ごとシェアハウスにリノベーションするケースも増えました。シェアハウス専門の事業者も現れ、共有部を充実させた大規模な物件も出てきています。

こうしたシェアハウスの供給によって、利用者の年齢層や収入の幅が広がる傾向にあります。以前は家賃の安さや入居手続きが簡単であったことが魅力でしたが、今では多様な付加価値を求めてシェアハウスを利用する人が増えています。

見ず知らずの他人と生活を共にするのは煩わしいように思えますが、人の温もりを感じられる「コミュニティ」での暮らしを求める人が増えている側面もあるようです。

また外国人のいるシェアハウスでは、語学を含めて外国のカルチャーに生で触れることができるというのが魅力だという人もいます。人と人の触れ合いが希薄になっている今だからこそ、シェアハウスが注目されているのかもしれません。

国土交通省による「貸しルームにおける入居実態等に関する調査」

これはシェアハウスの入居者及び入居経験のある20歳以上の男女を対象にして、平成25年9月にインターネットでアンケート調査したものです。

男女比と年齢層

男女比は男性47.9%で女性52.1%ですが、平成23年度の調査では男性55.3%で女性が44.7%と若干ですが男女比率が逆転しています。女性の利用比率が向上しているという数値から、女性のニーズを考慮したシェアハウスのマーケットの拡大が予測できます。

年齢別では、20歳から25歳が13.0%、25歳から30歳が最も多く24.0%で、次いで30歳から35歳が21.1%、35歳から40歳が16.0%という結果になっています。

25年度では20歳から30歳が37%ですが、平成23年の調査では同世代は66.8%と、この世代の利用比率が大幅に減少していることが分かります。その逆に、30歳から40歳は23年度が24.9%だったのに対し、25年度は37.1%と約12%も増えています。

これは女性の利用比率が高くなったことに加えて、単身世帯の増加が影響していると考えられそうです。つまり、30代後半から40代単身者のライフスタイルを考慮したシェアハウスの需要が高まることが予想されます。

利用者の収入と家賃の変化

入居者の平均収入で最も多いのが15万円から20万円で18.3%、次いで20万円から25万円が16.4%です。10万円未満が17.8%と多く、通常のアパートや賃貸マンションより収入のハードルが低いことが見て取れます。

家賃も4万円未満が48.2%で、そのうち2万円未満が18.1%と、アパートなどの賃貸物件に比べてかなり安くなっています。しかし一方で30万円以上の収入がある人が2割近くおり、単に家賃の安さだけがシェアハウスに人気が集まる理由ではないようです。

平成23年の調査で4万円未満が57.2%だったのが、平成25年には48.2%に減少していることから、家賃が高い物件が増えていることが推察できます。これは、共有部の充実など付加価値の高い物件が供給されるようになった結果だと思われます。

シェアハウス市場に参入する際の注意点

一連のトレンドを見ると、今後は更にシェアハウスの市場が拡大することが予想されます。しかしこの市場に参入する際は、利用者が求める価値が多様化していることを考慮する必要があります。

近年は大手デベロッパーもシェアハウス市場に参入しているので、以前のように家賃の安さだけで入居者を集めるのは困難になるでしょう。競争が激化する環境下で個人オーナーが成功するためには、慎重にターゲットを絞った戦略が必要になります。

個人オーナーが、安易にシェアハウス市場に参入するのはリスクが伴います。興味があれば、マーケットの動向やニーズを熟知した専門家に相談するなど、信頼できるパートナーの協力を仰ぐといいでしょう。

参考資料:貸しルームにおける入居実態等に関する調査 結果概要 平成25年度調査