お金と家と人生と。ミライ資産 Leo-PRESS(レオプレス)

マイナス金利時代の住宅ローンをどうする?

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

未体験の「マイナス金利時代」が継続中

2016年1月29日、日銀は「マイナス金利」の導入に踏み切りました。各金融機関が日本銀行に持っている当座預金に対し、これまでは+0.1%の金利を付けていたのですが、今後新規に預けられる分について-0.1%とすることを決めたのです。

これまで日銀は、「異次元の量的緩和」を進め、金融機関がもっている国債を買い取るかたちで銀行に資金を供給し、さらに買い入れ範囲も、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)や不動産投資法人投資口(J-REIT)などにまで広げて市場にお金を供給してきました。しかし思うように資金供給が促進されないことから「マイナス金利」を導入。日銀に預けていると利子を支払わなくてはならないという状況をつくり、企業への貸し出しや他の投資に回す動きにつなげようという考えです。

実際、日銀が5月12日に発表した貸出・預金動向(速報)によれば、4月の銀行貸出(平均残高)の伸び率は前年比2.2%となり、前月の前年比2.0%からわずかに上昇しました。

マイナス金利で追い風のJ‐REIT

マイナス金利は日銀と金融機関の間の話であり、一般消費者の銀行預金までがマイナス金利なるわけではありません。ただし、預金金利はさらに引き下げが進んでいます。預金者としては、他の運用先を探さざるを得ない状況です。日本株や外貨預金、債券、REIT(不動産投資信託)などが新たな運用先として浮かび上がり、中でも注目を集めているのが東京証券取引所に上場しているJ‐REITです。

J‐REITは収益のほぼ全額が分配され、現在の平均分配金利回りは3.28%と高く(5月13日時点)、今年1月から4月末にかけてのJ‐REIT指数は20%以上の上昇を示すなど活況を呈しています。さらに、マンションを中心とした現物不動産への投資にも注目が集っています。

住宅ローンは借り換えのチャンス

他方、住宅ローンは、マイナス金利導入が好結果をもたらした数少ない領域といえるかもしれません。長期金利に連動する住宅ローン金利は、もともと低金利だったところからさらに大きく低下。現在、フラット35の金利は1.08%~1.77%の範囲と史上最も低い金利となっています。35年固定でこの金利です。変動金利では0.5%、20年の固定でも1.0%程度のものが登場しており、住宅ローンは非常に組みやすい状況になりました。さらにローンの借り換えも積極的に行われるようになっており、実際ある銀行では通常の5倍を超える申し込みを抱え、審査期間も2カ月近くかかっているといわれています。借り換えには抵当権の抹消や設定、その他事務手数料などがかかります。そのため一般的には「残高1,000万円以上、金利差1%以上、返済期間10年以上」が借り換えの目安といわれてきましたが、手数料など、好条件のローンも出てきているので、実際にシミュレーションしてみることをお勧めします。

ローン選びには「返済戦略」が必要

では、新規に住宅ローンを組む場合に、どの金利タイプを選択したらいいのか、判断に迷うところですが、基本原則はあくまで「長期ローンは低金利で固定」です。20年30年という長期スパンで考えれば、金利上昇を想定せざるを得ません。長期ローンでも史上最低の金利水準にあるのですから、この金利で固定できることには大きなメリットがあります。

しかし、現在の超低金利をもっと生かしたいと考えるなら「10年固定の変動金利」という選択肢もありそうです。10年経過後に金利が上昇する可能性は少なくありませんが、その時は残高も減っていますし、低金利で返済額を抑えた分のゆとりを活かして積極的に繰り上げ返済をしていけば、11年目以降の返済がさらに楽になります。もちろんそのためには、繰り上げ返済の可否や手数料の有無・最低金額などをきちんと把握しておくことが必要です。

ただし、住宅ローンの金利タイプ選びは、単純に、金利水準の比較だけでは決まりません。家族それぞれで、子供の有無や数、年齢、親の健康状態、仕事が変わる可能性などが異なります。それによって、いつどのくらいのお金が要るのかは異なってきます。家族固有の事情に応じた長期のマネープランを考え、支出が多くなりそうな時期には、できるだけローン返済を抑える、ゆとりがありそうなときには積極的に返済を進める、といった「返済戦略」も必要になります。ローン選びは、ぜひそのことを念頭に進めてください。