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賃貸住宅の「設備・仕様」の歴史から人気の設備を知る

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賃貸住宅は建物や間取りだけでなく、水回りや電気設備などの面でも日進月歩の進化を遂げています。これまでの設備の歴史を振り返るとともに、最近人気の設備について確認してみましょう。

システムバスの進化

火山国である日本では古くから湯に浸かる文化が根付いていたものの、自宅に風呂を備え付ける、いわゆる「内風呂」が一般的に家庭に普及したのは第二次世界大戦後の高度成長期を迎えた頃から。それまでは、一部の裕福な家庭を除いて、銭湯に通うのが一般的でした。

日本で内風呂が普及した要因のひとつは、日本住宅公団(現在の独立行政法人都市再生機構)が提供する公団住宅に浴室が設けられたことです。標準仕様として風呂がついている公団住宅が大量供給され、昭和38年(1963年)には全国の内風呂普及率は約6割にまで達しました。

内風呂が一般的に普及されたのを受けて、元々はホテル用に生まれたシステムバスを一般住宅に転用しようとする取り組みが始まります。当時はホテルからの転用ということで、浴槽・便器・洗面器という洋式タイプのシステムバスでした。

1960年代半ばからは、浴槽の外で体を洗う日本人の文化に合わせて、洗い場付きの浴槽が多く採用され始めます。その後も研究開発は進み、1985年頃から戸建住宅用システムバスの採用率が急速に伸びはじめます。そこで始まったシステムバスの多様化は今も続いており、質感やデザインにとどまらず、安全性や手入れのしやすさ、手すりや段差を無くし高齢者に配慮したユニバーサルデザインのものなどが登場しています。

最近の住宅設備に目を向けると、ただ単純に体を洗う場所という事にとどまらず、居心地の良い空間として機能が重要視されています。手入れのしやすさ保温機能、耐久性に優れた材質などが人気の要因となり、浴室乾燥機やミストサウナなどの機能性も高く評価されるようになりました。

キッチンの進化

明治時代の台所は、床上とは区別された土間に竈(かまど)などが配置されたものでした。その後、大正デモクラシー期から昭和にかけて、生活改善運動の一環として台所仕事が見直されてきます。また、ガスや水道が普及することで、土間ではなく床上の台所で炊飯や洗い物をするスタイルになりました。

ダイニングキッチン(DK)が標準モデルとなった公団住宅では流し台はステンレス製となり、ピカピカの見た目が清潔感や生活水準の向上を印象付けるものとなりました。現在では、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄乾燥機、浄水器などの機器に対応するシステムキッチンが主流になっています。

昨今のキッチンのあり方で特徴的なのは、個室からみんなのスペースへ変化したことです。これまで料理をする作業場だったキッチンですが、今は家族とのコミュニケーションが取れる様式になってきています。

対面式キッチンやアイランドキッチンにより、料理をしながらも、リビングで新聞を読む夫や宿題をする息子と会話をする。同じ空間をシェアするというスタイルが増えてきています。

トイレの進化

地域によって浄化槽や下水道の整備には差があるものの、戦後には水洗トイレが主流になっていました。この頃のトイレは陶器製の和式便器が一般的でしたが、やがて公団住宅などを中心に洋式便器が採用され始めます。

伊奈製陶(現LIXIL)や東洋陶器(現TOTO)が温水洗浄便座の輸入販売を開始したのは1964年ですが、その後、国産化やTOTOによる「おしりだって洗ってほしい」というCM(1982年)のプロモーションを経て市民権を得ていきます。やがて、温水洗浄便座の普及率は2013年時点で76%にまでなりました(内閣府調べ)。

加えて最近のトイレに求められるのは、節水や節電など経済性に優れたものや、除菌防菌に優れた掃除のしやすいもの。またデザイン性も重要視され、タンクレスですっきりとしたものが評価されています。

電気設備の進化

スイッチやコンセントなどの電気設備も昔から比べると進化を遂げています。

高齢者や子どもがコードに足を引っ掛けてもすぐに外れる「マグネットコンセント」や、外出時に一括ですべての電気を消す「一括オフ発信機」など利便性も向上。USB接続ができるものや、LED照明の調光ができるもの、スマートフォンで操作できるものなど、昨今の電子機器への対応も進んでいます。

ブレーカー(配電盤)も昭和時代はヒューズを用いて電気を遮断する方式でしたが、現在ではヒューズを用いないものが主流。安定して電化製品が使えるようになるとともに、配電が遮断されたときの復旧も簡単になったことで利便性が高まりました。また地震に伴う火災への対策として「感震ブレーカー」なども登場し、電気火災を未然に防ぐ技術や製品も出てきています。

地震などの災害や高齢者による事故への対策など、今後のリスクを見据えた設備が求められています。

現在注目されている先端設備

IoTの波は賃貸住宅の設備にも及んでいます。ICタグやスマートフォンなどを用いてドアの鍵の開閉を行うスマートロックも普及しつつあります。

スマートフォンとの連携も進み、家に帰る前に沿革操作で部屋を暖めたり冷やしたりも可能。外出先からエアコンを消すこともでき、消し忘れの心配がなくなるなど空調設備の利便性も高まっています。

防犯対策への需要が高まっているのも昨今のトレンドで、ホームセキュリティが付いた物件も女性を中心に人気を集めています。

インターホンはカラーモニターが標準になり、防犯対策として録画機能を備えたものも主流になりつつあります。スマホ対応やタッチパネル対応も現代ならではと言えます。

共用部分のオートロックや監視カメラだけでは不安という声もあり、ベランダからの侵入を感知したり、セキュリティー会社と提携したりといった高水準な防犯対策が賃貸住宅に求められています

まとめ

最新設備に関する情報を収集したり、アイデアを考えたりすることは、現代のライフスタイルに寄り添うことを意味します。

人々の生活を観察し、求められているニーズを見つけ出せるようになれば、賃貸経営において他との差別化を図る有効な手段になるかと思います。

特集:「賃貸経営」歴史と変遷

第1回賃貸経営の歴史!経営スタイルはこのように変化してきた
第2回集合住宅の「建物」の歴史から賃貸経営を考える
第3回賃貸住宅の「間取り」の歴史から賃貸マーケットを考える
第4回賃貸住宅の「設備・仕様」の歴史から人気の設備を知る